★ 朝日新聞「読書」のページ、「古典百名山」は平田オリザさんの担当。大岡昇平の「俘虜記」を取り上げていた。
★ 日本特有の私小説というジャンル。作家の心情は描かれるが、「対象が作家の行動に限定されるため社会性に欠ける難があった」という。
★ 個人の限定的な体験から普遍的なテーマにどう至るか。平田さんは志賀直哉の「城の崎にて」、そして大岡昇平の「俘虜記」に普遍性を見るという。コラムで抽出されている「俘虜記」の場面。場面は戦場、日本兵が敵兵を撃つかどうかで逡巡するところ、わずか3行の紹介だが背筋が震える思いがする。レマルクの「西部戦線異状なし」で敵味方の兵が塹壕で出会ってしまった緊張感に通じるものがある。
★ 折しも、私小説の流れをくむ作品を発表されてきた、西村賢太さんの急逝には驚いた。まだ50代半ばだ。
★ さて、私小説と関係があるのかないのか、今日は早見和真さんの「店長がバカすぎて」(ハルキ文庫)から第1話「店長がバカすぎて」を読んだ。書店の日常が書店員・谷原京子さんの視点で描かれている。とにかくこの書店には店長をはじめ、変わった(個性豊かな)スタッフが多い。上司に恵まれないというのは、どの業種であれ、勤め人には悲劇だ。にもかかわらず、彼女は本を愛して働き続ける。
★ 女性の本音が随所に出ていて面白かった。
★ 日本特有の私小説というジャンル。作家の心情は描かれるが、「対象が作家の行動に限定されるため社会性に欠ける難があった」という。
★ 個人の限定的な体験から普遍的なテーマにどう至るか。平田さんは志賀直哉の「城の崎にて」、そして大岡昇平の「俘虜記」に普遍性を見るという。コラムで抽出されている「俘虜記」の場面。場面は戦場、日本兵が敵兵を撃つかどうかで逡巡するところ、わずか3行の紹介だが背筋が震える思いがする。レマルクの「西部戦線異状なし」で敵味方の兵が塹壕で出会ってしまった緊張感に通じるものがある。
★ 折しも、私小説の流れをくむ作品を発表されてきた、西村賢太さんの急逝には驚いた。まだ50代半ばだ。
★ さて、私小説と関係があるのかないのか、今日は早見和真さんの「店長がバカすぎて」(ハルキ文庫)から第1話「店長がバカすぎて」を読んだ。書店の日常が書店員・谷原京子さんの視点で描かれている。とにかくこの書店には店長をはじめ、変わった(個性豊かな)スタッフが多い。上司に恵まれないというのは、どの業種であれ、勤め人には悲劇だ。にもかかわらず、彼女は本を愛して働き続ける。
★ 女性の本音が随所に出ていて面白かった。