じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

荻原浩「遠くから来た手紙」

2022-09-06 14:38:17 | Weblog

★ 静岡県のこども園で、幼児が送迎バスに置き去りにされた事件。かわいそうに。どうしてこんなことが繰り返されるのだろうか。伝統のある園らしく、ホームページにも子どもの安全を第一にと主張されているのだが。

★ いつもの運転手が休んだため、理事長兼園長がバスを運転し、派遣スタッフの女性が同行していたというが、どちらも仕事に慣れていなかったのか。人手不足だったのか。出欠確認のシステムも結局は役に立たなかったようだ。日常業務に潜むちょっとしたリスク、それが取り返しのつかない事態を招く。戒めとしなければ。

★ さて、今日は荻原浩さんの「海の見える理髪店」(集英社)から「遠くから来た手紙」を読んだ。

★ 遠距離恋愛を経て結ばれた二人。ところが最近、夫は仕事にとりつかれたようで、家庭のことを顧みない。妻はとうとう1歳2か月の娘を連れて実家に帰る。

★ 実家は静岡で果樹農家をしている。突然の里帰りに、実家も戸惑い気味。昔ながらに気難しい父親。かつての彼女の部屋は今では弟夫婦の新居になっている。とはいえ、今さら後へは引けず、夫からの電話もメールも拒否(心の底では懺悔の言葉を待ちながら。大急ぎで迎えに来てくれるのを待ちながら)。

★ 実家に残していた古い手紙を整理する主人公。かつて夫とやり取りしたラブレターだ。遠距離恋愛の記録だ。それも今となっては腹立たしい。燃やしてしまおうと思うのだが、やっぱりもったいない気もする。

★ そんな日を過ごしていると、毎夜10時過ぎに奇妙なメールが届くようになった。古風な文面。夫がつまらないシャレで送っているのか。しかし、そうではなかった。

★ 果たして誰から送られたものなのか。ちょっとファンタジーな作品だった。

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