★ 子どもたちは怖い話が好きだ。怖いと言いながらキャッキャと喜んでいる。テケテケも花子さんも。
★ 今日は小池真理子さんの「水無月の墓」(新潮文庫)から「足」を読んだ。
★ 40代になった女性。10歳年上の男性との不倫を細々と続け。これも腐れ縁かなと思っている。楽しみといえば、都心から地方へ引っ越した妹の家族を訪れること。遠慮しようと思いながら、1か月と間を置かず通い続けている。
★ 妹の夫の実家は造り酒屋なので、家が大きく部屋が余っている。それも気軽に訪問できる理由だ。この日も主人公は妹の家を訪れた。
★ 彼女は何か疲れを感じウトウトとしながら、幼い日のことを思い出した。怖がりの性分で開けっ放しで風呂に入っていた時、見てしまったのである。少し前に亡くなった叔母の足を。爪が美しく赤く塗られた足だけを。
★ さぁ、怖いのはこれから。それは読んでのお楽しみ。
★ うちの父親は亡くなる前、寝たきりが長かったものだからしばしばせん妄に襲われていた。周りのものにはわからないが、本人には本当に見えるようだ。ずっと前に亡くなった飼い犬や若い頃働いていた職場の風景が。不思議な現象だった。