じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

新田次郎「聖職の碑」読了

2023-03-17 21:36:50 | Weblog

★ 今日は公立高校の合格発表。全体としては1倍を切る広き門だが、人気校では5倍を超えるところもある。最近は高校間の格差が顕著だ。塾生たちはそれぞれの志望校に向かってよく頑張った。ホッと胸をなでおろす。

★ さて、新田次郎さんの「聖職の碑」(講談社文庫)を読み終えた。私は奈良教育大学の院生時代、日本教育史の上沼八郎先生の授業を受けさせていただいた。先生は伊那出身で、授業の中でこの作品について言及された思い出がある。それから40年あまりを経て、やっと読むことができた。

★ 時代は明治から大正にかけて、画一的な教育から子どもの個性を尊重した教育を目指そうとしていた時代の変革期。伝統的、実践的な教育を重んじる校長が推進する修学登山。理想主義を掲げる教員の中には反対論もあったが、校長は決断し実行する。

★ 運悪く、暴風雨に見舞われ、低体温症で児童が相次いで凍死し、子どもたちを守ろうとした校長も犠牲となる。

★ 後から振り返れば、山小屋の不備を見抜けなかったこと、天候の急変に気づかなかったことが後悔される。遭難場面は「八甲田山」同様、映像が目に浮かぶようだった。

★ 映画化されているが、残念ながら観る機会を逸した。先に映像化された「八甲田山」に比べて興行的には振るわなかったというが、機会があれば観てみたいものだ。

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