宮応かつゆきの日本改革ブログ

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「スターリン秘史」連載開始から1年、新しい歴史の解明との出会い。不破さんの意欲と熱意に感謝

2013年12月19日 | 綱領関連

 「前衛」誌に、不破哲三さんの「スターリン秘史ー巨悪の成立と展開」の連載が始まったのは、2013年2月号からでした。 2014年1月号で1年ー12回となりました。 

 不破さんは、「『スターリン秘史』の執筆にあたって」、「前衛」今年2月号で次のように述べていました。 「1991年のソ連共産党の解体、それに続くソ連政治体制の崩壊後、旧ソ連の党や政府の内部文書の流出が始まりました。 このことは、ソ連史の研究に、まったく新しい状況をつくりだしました」「私は、ソ連は崩壊したとはいえ、ソ連覇権主義のこの害悪をきちんと歴史に記録することは、これとたたかってきた私たちの日本と世界にたいする責任だと考え、『日本共産党にたいする干渉と内通の記録』の執筆にとりかかりました」とこの時期、1993年1月10から6月16日までの、「赤旗」連載を振り返っています。

 私もこの不破さんの連載を、読んだことを鮮明に覚えています。 今回の連載の動機となったのが、「ディミトロフ日記」との出会いだったとのことです。 そして、連載の目的を、「スターリンの覇権主義の形成と活動の全体像を描き出すことを意図したものです」「この角度からのスターリン問題の解明は、共産主義運動のなかでスターリン時代が持っていた意味を根本から明らかにすることに役立つだろうし、日本の私たちにとってだけでなく、世界の共産主義運動の、科学性、道義性、発展性を持った前進にも必ず資するだろうことを強く希望するものです」と述べています。

 今号ー第12章の中で、とりわけ印象に残ったことは、ナチ・ヒトラーの「ドイツの戦時体制への協力」です。 「スターリンは、この時期(「ドイツとイギリス、フランスの間では、戦争は宣言されているが、実際の戦争行為はないという、『奇妙な戦争』と呼ばれた時期)ヒトラーの戦争の同盟者であることを対外的には隠していましたが、実際の行動では重要な協力者の役割をはたしていました」

 「その第1は、通商協定を通じて、石油や穀物など、ドイツが戦争の準備と遂行のために必要とする物資、資源の大きな供給国となったことです。協定では、ソ連から供給される物資・資源の見返りとして、ドイツがソ連に提供するのは、機械など工業製品が主でしたが、それらは製造に時間がかかるとうことで、ドイツの供給分は10カ月ほど提供の時期が遅れるように契約されていました」

 「ドイツは、この契約条件を利用して、ソ連からの物資を急がせ、ドイツからの機械の提供は遅らせるという操作を意識的におこない、それを1941年6月の対ソ戦開始まで続けました。 結局、ソ連は、ヒトラーの対英仏戦のための軍需物資供給国となっただけでなく、ソ連自身に向けられた戦争の準備の相当部分を、対価なしに提供させられたという破目に陥ったのでした」(「前衛誌14年1月号 214頁)

 「これは、通商という形でのソ連からの経済支援が『ドイツの戦争経済』にとってまさに決定的役割をはたしていたことの当事者自身の告発でした」として、「(19)40年9月28日、独ソ接近の当初から経済問題での交渉にあたってきたドイツ外務省のシュヌッレの「覚書」が紹介されています。(同誌、214~215頁)

 スターリンの覇権主義の「巨悪」の根本的解明の一端を感じさせられました。