山浦清美のお気楽トーク

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多党化は悪いことばかりか?-少数政党の役割

2012-12-05 | 政治・経済・社会

 どの政党を選んで良いか分からないといった意見が報道で取り上げられております。評論家は政治の劣化を指摘して、何となく多党化が悪いことのように言われております。

 私は、生来のへそ曲がりですので、このような意見に敢えて反対を唱えたいと思います。この度の多党化は大政党が求心力をなくし分裂してしまった結果といえなくもありません。その点は、率直に認めます。しかしながら、本来国民の意見は多様なものであります。現代社会が多様化していることは、誰しも認めるところでしょう。それを何ゆえに二大政党に収斂させなければならないのでしょうか。政治の混乱を避けるためには、二大政党が有利であるといった論拠もあるのでしょう。しかしながら、形式だけの二大政党制では、内部で混乱を呈することになって、今回の如く分裂することになりかねません。

 そもそも国民が多様化しているとするならば、政党も多様化するのが、むしろ自然の流れではないかと考えます。多党化すれば、ますます政治が混乱するといった指摘があります。それは、政治家がそうならないようにすれば良いことであって、二大政党制であっても同様に起こることのように考えます。二大政党制の米国においても上下院のねじれによって混乱に陥っていることは指摘するまでもないことでしょう。しかし、これらの混乱を生じせしめるのも、解決を図るのも政治家自身なのです。そして、政治家を選ぶ選挙民なのです。

 現在の選挙制度(衆議院:小選挙区比例代表並立制、参議院:選挙区+比例代表制)においては、二大政党+多くの少数政党となることは致し方ありません。政権維持や立法などについては、大政党が大きな役割を持ちます。少数政党は、キャスティングボートを握っている場合にしかこれらの役割を果たすことはできません。

 では、少数政党は無価値かというと、そうではありません。①少数意見の代表。②特定の問題に特化した政策の実現。③国政の監視などといった重要な役割があります。

 その武器として、質問主意書というものがあります。少数政党にとって内閣に対する国会質疑時間は極僅かしか与えられません。これではまともな政治活動は出来るはずもありません。しかし、質問主意書は国政全般に渡って、内閣に対して質問することができ、議員の人数の制約がありません。この制度を駆使すれば、少数政党あるいは無所属議員であろうと、存分に政治活動ができるのです。

 国会中継などテレビでは目立たないかも知れませんが、地道に政治活動をしている議員さんも大勢いらっしゃいます。少数政党では、確かに重要な政策決定には関わることはできません。しかし、多様な国民のニーズを掬い上げることができるのは少数政党なのかも知れません。

 このためには、これまでに何度も主張してきましたように、現在の選挙制度、議員定数削減には反対です。国民の多様なニーズに応じることができるようになるためにも大選挙区制度が、行政に監視の目を行き渡らせるためにも議員数が多い方が望ましいと考えます。(参考:「議員定数削減は本当に国民の要望か?」)