第1回 日本みかんサミット
若者たちが企画してみかんサミットが開かれました。
8月27日・28日の二日間、長島町役場開発総合センターにおいて「日本みかんサミット」なる会合がありました。東大みかん愛好会のメンバーによる企画です。今衰退を続ける日本のみかん産業のことをみかん好きの若者たちが心配して、生産者から消費者までの広い範囲の関係者に声をかけて開かれたものです。しかも開催地はこだわってみかん発祥の地とされる鹿児島県・長島でした。消費の中心である東京とか名高い産地で行うよりみかんの歴史と時代の流れを考える上でも有意義なことと思います。私は生産者の一人として参加しましたが、生産者・流通関係者・消費者・研究者などのメンバーの多くは若者でみかんに関しても若い人のセンスや熱意に圧倒されました。討議された内容については別にして今日は写真で雰囲気だけでも味わってください。
みかん業界の発展のために尽くそうとする若者たちに感謝の意を込めて!
全国からみかんに熱意を持つ各界の人約50名が集まりました。もちろん地元からの参加も多数ありました。
主催者代表の開会挨拶
事例発表をするみかん愛好会のメンバーの自己紹介に好きなみかんは南津海とあり私としてはうれしい思いをしました。
シンポジウムは六つの分科会に分かれて行われ、主催者からの説明がありました。私は専門とする品種問題です。
討議は熱心に続いていましたが夕方6時になったので主催者に断わってこっそり抜け出して長島の西海岸に夕日を見に行きました。
夜の懇親会の席でみんなから夕日はいかがでしたかと問われビックリしてしまいました。皆さんに悪いのでこっそり抜け出したつもりがばれているのです。
宿泊所には温泉もありました。温泉は大好きです。
みかんサミット 二日目
朝食を食べながらも勉強会は続きます。そして元の会場に戻りメンバーを組み換えてワークショップ形式でみかんの魅力やみかんを生活の中で実際にどのように生かして行くかを考えました。
私の家の冷蔵庫にあった南津海を皆さんに持って来たのですが会場は飲食禁止なのでこんな風に生かされました。こんな風にしてもあとで食べられるのがみかんの良い所です。みかんの皮をいろんな形に剥くと言った遊びもできます。食べて美味しく、遊んで楽しいみかん。
締めくくりとして各班の実行しうるアイディアの発表です。
最後は全国の産地から持ち寄った柑橘を搾って一つに合わせ共通の心を持とうと青蜜柑ジュースで乾杯をしました。
記念写真を撮ってみかんサミットはお開きとなりました。
Vサインならぬ三つ柑(みかん)サインで締めました。
ついでに、みかんの歴史について少しだけ紹介しましょう。
普通にみかんと言うと品種的には温州みかんのことを差します。古来より日本に伝わった柑橘類の多くは中国や東南アジアを経由して伝わっています。温州みかんも中国などから伝わったと考えられたこともありますが中国には温州みかんと同じものは探しても見つかりませんでした。ということは温州みかんは日本で生まれたものと考えざるを得ません。今から400~500年前に中国に古くからあったマンダリンの仲間の早桔・慢桔・本地早などが中国との交易船で日本に運ばれてその種からここ長島の地で偶然芽生えたのが温州みかんの原点であろうと考えられています。その時代にすぐに広まることはありませんでしたがこの近くでは「なかしまみかん」とか「ながしまみかん」と呼ばれていたようです。