今日の花
ランタナは外来植物ですが蝶はこの花が好きでたくさん集まります。だから我が家のまわりにはいっぱい植えてあります。
せっかくの機会なのでみかんの問題を続けるつもりでしたが、今日は私にとって蝶関連の大ニュースとなる出来事がありましたので記事はそちらのことにします。
今日のお昼頃、家に帰ろうとしてみかん畑から一般の道路に出たところで1頭の黒っぽい蝶が私の軽トラの前を横切りました。一瞬のことでしたがこの辺りで見かけぬ蝶だと感じました。急いで車を降りて後ろを振り返りその蝶を探しましたが見当たりません。逃がしたかと諦めかけたとき10mくらい後の梅の木にその蝶がとまるのが見えました。車は道路の真ん中に置いたままそっと蝶の方へ寄って行きました。間違いなくこの辺りの蝶ではありません。羽をたたんでとまっているのでその時はまだ蝶の種類が分かりませんでした。それでも迷蝶であることは間違いかないと思いカメラを取りに車へ戻りました。車を安全な所に寄せてカメラを持って戻ってみるとまだそこにいました。ラッキー !!!
側に寄ってみるとリュウキュウムラサキかもしれないことが分かりました。本州ではめったに見られぬれっきとした迷蝶です。山口むしの会では今年の迷蝶の報告はまだ無いように聞いています。今年は台風の発生が遅くてしかもみんな関東の方ばかり行ってしまうので山口県で迷蝶が見つからないのももっとものことです。台風の風に乗って来たのでなければこの蝶ははるか南の国からどうやって来たのでしょう。不思議なことです。
珍しい蝶ですから慎重に写真を撮ってから家に帰りました。虫の世界ではこういうことは大事なことなのですぐに虫の会の会長さんの所へ迷蝶の報告をしました。すると会長さんより証拠品としてその蝶を捕獲してくれとの返事がありました。普段私は標本としての個体保存はしないので捕獲はしませんが、証拠品としてと言われれば仕方ないので補虫網を持って蝶のいた所へ戻りました。もう逃げてしまっていなければ仕方ないと思っていたのですがまだそこにいたのです。網を振るのは上手ではないのですが近くに飛んできたところを網で一振りするとうまく入ってしまいました。せっかく山口県まで飛んできたのに標本にされることになりました。ごめんなさいね。捉えた蝶はすぐに午後の宅急便で会長さん宅へ送りました。
大事な会議を抜け出して夕日を見に行ったり、みかん産業の問題を掲載すべきところを蝶のことに差し替えたり、私ってほんとに不真面目なみかん作りだこと。
今年初めての迷蝶
リュウキュウムラサキ ♂
本種は西はインドから東はオーストラリア・サモア・フィジーにわたり東洋熱帯地方に分布する蝶です。日本では沖縄地方でよく見られる種なので和名をリュウキュウムラサキと言います。日本では沖縄地方より北へ行くほど見つかる数は少なくなり本州ではまれに採集される程度です。迷蝶記録としては北海道で採集された記録があるそうです。この蝶も案外旅をするのが好きなのかもしれません。
山で見つけた場所で撮影 オスはよくテリトリーを張ります。他の蝶が自分のエリアに入ると追い払います。
緊張しててシャッター速度を変えるのを忘れていました。失敗です。
急に飛び立ったのですが紫色がとてもきれいでした。
サービスで羽を開いてくれました。
捕獲命令が出たので仕方なく捕まえました。
光の反射角度を変えると紫色は見えなくなります。紫色の鱗粉は決まった角度に反射するように出来ているようです。
南国の蝶は色鮮やかできれいですね。この模様で羽ばたき舞う姿はとてもきれいでした。飛ぶときには羽の先の方にある白い斑点がよく目立ちます。
この蝶は標本として博物館に保存されることになるのでしょう。