柿ぴーのつれづれ日記

食べるの大好き,旅行大好き,お菓子作り大好きな柿ぴーの日記(-△ー)ノ

牛田智大 オール・ショパン ピアノ・リサイタル

2022年03月12日 | コンサート・観劇など
『牛田智大 オール・ショパン ピアノ・リサイタル』のため大阪のザ・シンフォニーホールへ。

JRの駅まで車で行く道すがら、梅の花が綺麗に咲いていた。でも、いつもなら「綺麗だなぁ」と思うのに、今日はそんな気持ちになれなかった。というか綺麗な物を見て綺麗と思う気持ちが無かった、、、やばい、、、朝からCNNやBBCを観て、ますますひどくなっていく状況に気持ちが荒んで、ちょっと鬱になったのか、、、ちゃんと音楽が聴けるだろうか、、、

ともかくホールへ。





ホールに入ると、牛田さんの希望により曲の順番が、ちらしからパンフレットのように変わったとの案内書きが貼られていた。

牛田さんを聴くのは3回目。何かのテレビで、ショパンコンクールでは今までと弾き方を変えるのに苦労したとおっしゃってたな。だとしたら今日は今までと違う演奏が聴けるのね。

そんなショパコン後の牛田さんの演奏は過去に聴いたのと比べて、最初の1音が鳴った時「深い音色~」と思った。全体的に深く、そして哀愁が漂うような音色に感じた。
しかし今日も1割もまともに聴けなかった、、、、つい違う事を考えてしまって、、、ただ、牛田さんの音は、そんな私の気持ちに寄り添ってくれるように、ずっと美しく鳴り続けていた。違う事は考えてても、その音色はちゃんと聴こえていた。
一番最後の曲「幻想ポロネーズ」の後半盛り上がりの所は、牛田さんの気持ちをぶつけたような演奏に、私の意識も演奏に戻った。

20分の休憩を挟んでの全ての演奏が終わったあとも、拍手に応えてアンコールを弾いて下さった。

プログラムはオール・ショパンだったがアンコールはオールリストだった。

まず静かに始まったのは「慰め第3番」。

この曲は大好きなんだけど、今日は特に、戦争で傷付いたウクライナの人にこの音が届いて欲しい、と切に祈るような気持ちで聴いた。そう思わずにはいられない牛田さんの演奏だった。いや、ウクライナの人だけじゃない、もしかしたら傷付いたロシア兵や、ミャンマーやアフガニスタンの人々、その他私が知らないだけで,今この時も苦しんでいるすべての人々へ届いて欲しい、と、、、
もしかして牛田さん自身もそのような思いで弾いていたのか、このあとのトークでそのような事をおっしゃった。

牛田さんは「慰め 第3番」を弾き終わり、マイクを取ってお話された。
ざっくりとだが、こんな感じの内容だった。
今年でデビュー10周年になる。2011年、震災後に何か音楽で出来ないかというのがデビューのきっかけだった。
今日のプログラムはショパンの中期から後期の作品でまとめた。これらが書かれたのはポーランドがワルシャワを攻撃されてた時で、くしくも今の状況もそんな感じだけど。音楽家が政治に口出しはしないけど、曲が書かれた背景を汲み取って演奏したいし、聴いてる方が何かメッセージを受け取って下さればと思う。

1曲目のアンコール後も、更に拍手に応えて下さった。
「愛の夢 第3番」。
美しい。。。ただただ美しかった。

そしてもう1曲弾いて下さった。
「献呈(抜粋)」。
この曲もとても綺麗で大好きなんだけど、今回は綺麗な中にも、何かやりきれない心の叫びのような物を感じたのは、自分の気持ちがそうだったからなのだろうか。。。

このたびは、何か深く考えさせられた公演だった。

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