拝殿踊り
2015-08-29 | 日記
最近、白鳥踊りの原型として、拝殿踊りが
知られるようになってきた。
観光パンフレットなどでも紹介され、
場所や日程も載っている。
それは、同時にもう観光の対象となり、
見物客のための行事にもなっていることを意味する。
しかしここの拝殿踊りは違う。
たまたま夜、白鳥の町から実家に向かう途中、
普段は真っ暗なその地域の神社に明かりがついて、
地面にシートを敷いて、たくさんの人が宴会の
最中。横では子供たちが花火で遊んでいる。
いわゆる縁日の行事のようだ。
(この辺りでは盆過ぎに地域ごとに縁日と言って
お宮参りの習慣があり、それに合わせて
いろんな行事が行われている)
そして拝殿では切子灯籠の下で盆踊りが
行われていた。拝殿踊りだ。
笛、太鼓、三味線といった、踊りに付き物の楽器はなく、
誰かが唄い、他の人が掛け合い、手拍子と下駄の音。
素朴な盆踊りの原型だ。
観光化された拝殿踊りは、歌い手も上手く、踊りもよく揃って
整然と延々と続いていく。
しかしここでは歌は直ぐ途絶え、歌い手も次々代り、
踊りもそんなに長くは続かない。
それでも人々は本当に和気あいあいと楽しそうに踊っていた。
人に見せるものではなく、自分たちの楽しみとしてやっているからだろう。
よそ者は我々二人だけ。おそらくこの集落以外の人は、
ここでこんな行事が行われていること自体知らないかもしれない。
何の宣伝もなく、自分たちの楽しみのためにだけ、
こんな行事が行われていることは驚きだった。
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