いしかわの伝統工芸 その2(No.52)
◇輪島塗
発祥については諸説があるが、応永年間(1400年頃)
に紀州根来寺の僧が輪島に来て、膳や椀に添加工したの
が始まりとする説が有力である。その特色は塗りの堅牢
さにあるが、これは輪島の小峰山から産する「地の粉」
を下地塗りに使用するからである。また、加飾の沈金や
蒔絵の技法にも優れ、日本を代表する漆器として高い評
価を得ている。重要無形文化財
◇山中塗り
石川県加賀市の山中温泉地区(旧:江沼郡山中町)で
生産される漆器である。
歴史は天正年間(1573年 - 1592年)に遡ることがで
きる。当初は山中温泉の湯治客相手の土産物が主で生産
量も少なかった。1950年代後半には、従来の天然木、漆
塗りの製品に加えて合成樹脂の製品も導入され、1981年
には会津塗を抜いて全国一の生産量となった。