金沢の観光スポットレポート その609(No.925)
◇浅野川 七つ橋渡り
1月8日(日)石川県ウオーキング協会の1月例会「七つ橋巡り・ウオ
ーク」が開催された。天候もよく150名が参加。浅野川にかかる七
つの橋を渡るもので、無言で渡るとなっているが、今年初めての例会と
あってにぎやかな七つ橋渡りとなった。
■写真は金澤神社で参拝
□七つ橋渡りとは
七つ橋渡りは、春秋の彼岸中日の深夜、数珠を持ち新しい下着をつけ、
一筆書きのように浅野川に架かる七つの橋を川上から川下へ無言で巡る
習俗で、今も幾つかの決まり事と共に伝えられている。
長患いで寝たきりになり、子供や嫁に下の世話にはなりたくないと言う
思いから、明治の頃、浅野川周辺の女性達により密かに続けられて来た
ようです。
■写真は常盤橋
渡る橋については、明確な決まりがないようで、七つの橋を人それぞれ
が選んで渡っても良いという事です。今は常盤橋をスタートし天神橋、
梅の橋、浅野川大橋、中の橋、小橋、彦三大橋を外して昌永橋の七つの
橋を巡り、昌永橋近くの開禅寺に報告するというのが多いようです。
■写真は天神橋
このような行事は全国的にも珍しく、橋を三途の川に架かる橋に見立て、
極楽浄土に至る死の疑似体験や新しく生まれ変わる再生の儀式でも有る
と言われて居り、よく似た行事は富山県や沖縄県にもありますが、浅野
川のものとはかなり違うようです。
■写真は梅の橋
小説では、東京の築地が舞台の三島由紀夫の短編小説「橋づくし」があ
りますが、母方が金沢の人で、何かそんな縁で小説の題材に使われたの
ではないかと言われていますが定かではありません。
■写真は浅野川大橋
金沢には、他に犀川、長町、黒壁山九万坊、極楽橋などよく似た習俗が
言い伝えられている事から見ても、藩政時代すでに都市化していた金沢
の庶民生活の一端が窺がえる民俗行事です。
(参考資料:市民が見つける金沢再発見の会ページより)
■写真は中の橋
■写真は小橋
■写真は昌永橋
□コース(約10キロ)
しいのき迎賓館→金沢神社→八坂→常盤橋→天神橋→梅の橋→浅野川大橋
→中の橋→小橋→昌平橋→彦三緑地→金沢城公園→しいのき迎賓館
■写真は金沢城公園橋爪門
■写真は会員作成のMap
(完)