金沢の観光スポットレポート(No.1931)
◇金沢冬の風物詩-2 長町武家屋敷跡 薦掛け①(ユーチューブ連動解説版)
〇長町の由来
長町は前田八家の一つ長氏の屋敷があったこと、鞍月用水と大野庄用水に囲まれた
長い町ことなどから名付けられたといわれている。現在の長町武家屋敷一体は長氏、村井氏をはじめ上級武士から中級、下級武士などが住んでいました。現在では、当時の武家屋敷は殆ど残っていませんが、その中で中級武士だった野村家邸は当時の武士の邸宅の様子を伺うことができます。
■写真は前田土佐守家資料館
〇薦掛け
薦掛けは、雪から土塀を保護するもので、浸透した水分の氷結による損傷や、付着した積雪による土の剥がれを防いでおり、毎年12月から翌年3月まで設置され、雪吊りとともに”金沢の冬の風物詩”となっている。
■写真は中央公民館長町
毎年12月の第1週の週末に合わせて薦がけが行われており、今年は12月5日~6日に行われた。この薦掛けは昭和61年(1986)年から実施している。大野庄用水は薦掛けに合わせて水を止めている。
石川県造園業協同組合の職人と、金沢職人大学校の研修生ら30人が作業を進め、わらで作った幅3.6メートル、高さ95の薦を土塀の腕木につるし、約500枚の薦を長町武家屋敷跡の民家や施設の土塀1,250メートルに取り付けている。2019年より薦の高さを地面より30センチに揃えられた。
■写真は長町二の橋付近の武家屋敷跡
■写真は12月5日の薦掛け
〇小学校児童の体験講座開催
金沢市は藩政期から続く城下町の風習を次代に継承するため、講座は12月5日に長町武家屋敷跡で薦掛け作業が始まるのに合わせ、中央公民館にて中央小学校児童10人が薦を用いた小物作りを体験。また、県造園業協同組合の組合員らから、薦掛けの歴史に関する説明も受けた。この講座を通じて土塀を冷害から守る先人の知恵と技術を後世に伝える狙いがある。(北國新聞より)
■写真は大屋家邸
(つづく)
□ユーチューブ冬の風物詩「長町武家屋敷跡 薦掛け」