金沢の観光スポット体験レポート その9(No.89)
金沢城の石垣巡り。(No.6)城外周ルート
6)申西櫓(さるとりやぐら)下の石垣
ここでは時期の異なる「打ち込みハギ」の石垣
を見ることができます。右側は自然面を残す割り
石を積み上げた、慶長頃の石垣です。左側は加工
の進んだ石材を用い、刻印が多く見られる石垣で、
寛永頃新たに継ぎ足されたものです。石垣から城
郭整備の過程がうかがえる貴重な事例です。
・創建:慶長(1596~1615)
・現状:上部は明治時代に撤去
下部は概ね藩政期の姿を留める
7)薪(たきぎ)の丸東側の石垣
この石垣は、鯉喉櫓台や二の丸北面と同じく、
加工の進んだ石材を整然と積み上げた「打ち込み
ハギ」の石垣で、寛文6年(1664)、加賀 藩の
穴太(石垣普請職)後藤権兵衛によって改修され
たことが記録に見えます。
・創建:寛永(1624~43)頃
・改修:貫文6年(1666)
8)いもり坂と薪の丸
いもり坂は明治以後作られた通路で、江戸時代
になかったものです。このあたりは玉泉院丸に面
した斜面の一角で、庭園向きの石垣として整備さ
れたところです。三十間長屋と同じく「切り込み
ハギ」の一種で、野趣に富んだ意匠を狙った「金
場取り残し積み」などが見られます。
・創建:寛永(1624~43)頃
・改修:貫文(1661~72)頃
参考資料:
ほっといしかわ「金沢城の石垣巡り」より