河村顕治研究室

健康寿命を延伸するリハビリテーション先端科学研究に取り組む研究室

モンテーニュ『エセー』

2013-12-01 | Private
300,000kmを達成したからと言うわけではないが、最近、早期引退と言うことを夢想するようになった。
私には愛媛に実家があり、母親が1人で暮らしているため、そちらもどうしても気になる。
愛媛に帰って庭いじりや野菜を作るのも悪くないような気がする。


今朝の日経にフランス文学者の宮下志朗さんが『わが暇、孤独、断捨離』と題して、エッセーを書いている。
八ヶ岳山麓に別荘を購入して時々出かけるようになったというご自身の生活のことを記しておられるのだが、専門であるモンテーニュのことを書いているのが興味深い。

モンテーニュは
『残されたわずかな余生を、世間から離れてのんびりすごそう、それ以外のことは関わるものかと心に誓い、早々と裁判官をやめて田舎領主となり、暇を手に入れた。不惑の年を前にしての楽隠居、塔の書斎という孤独になれる場所を確保して、読書と思索にふけったのだ。』

『暇な時間のおかげで、モンテーニュは「エセー」という随想を書くことができた。けれども、いささか隠居が早すぎたのか、その後、彼は故郷ボルドーの市長に選ばれてしまい、公職に復帰する。
でも彼は、「他人に自分を貸すのは必要だが、自分を与えるのは自分自身に対してだけでいい。自分を抵当に入れるのも耐えがたい」という考えの持ち主だ。良い意味での自己中心主義者なのである。だから市長を二期務めると、さっさと田舎へ帰ってしまう。そして同郷の国王アンリ四世に政界復帰を請われても、これを固辞して「エセー」の加筆に没頭した。』


優れた思索のためにはゆったりとした時間が必要だと言うことだと思うが、なかなか凡人にはモンテーニュのような潔い生活はできるものではない。
実際に、田舎に引っ込んだら3日で飽きて、時間をもてあましてしまうだろう。
コメント
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