河村顕治研究室

健康寿命を延伸するリハビリテーション先端科学研究に取り組む研究室

岡山大学メディカルセンター構想

2014-11-21 | 医学・医療
井原では医師不足で病院が閉院するという事態になっているが、岡山市内では総合病院による過当競争が起こりつつあるとして森田潔学長が、「岡山大学メディカルセンター構想」を提唱している。

「岡山大学メディカルセンター構想」とは、岡山大学病院のほか、岡山市民病院、岡山労災病院、岡山赤十字病院、岡山済生会総合病院、国立病院機構岡山医療センターの計6病院で、「非営利ホールディングカンパニー型法人(仮称)」を作り、ガバナンスを一本化する構想である。

森田学長によれば以下のような分析になる。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
以下引用

 岡山県、特に岡山市は医療先進地域です。医師数、ベッド数、医療レベル、さらには岡山大学の医学部の伝統も含めて、非常に恵まれた地域です。県全体で見れば、医学部・医科大学が二つあります。

 しかし、今後は人口が減少し、高齢化が進み、医療ニーズはものすごいスピードで変わっていきます。「今から医療提供体制の見直しを進めないと、遅きに失してしまう」というのが私の持論です。

 人口は減っても、高齢者が増えれば、医療費は増えていきます。しかし、増加するのは、回復期、慢性期、在宅などの医療費です。急性期の医療ニーズは減少し、医療費も抑制され、厳しい状況に陥っていくでしょう。その結果、岡山市のような医療が充実した地域では、ベッドが急激に余ってきます。これは歴然たる事実です。

 岡山市は恵まれているが故に、特に競争が厳しいのが現状。多くの急性期病院が建て替えを進めています。岡山市民病院が新築を予定しているほか、川崎医科大学付属川崎病院は、今は200床強しか稼働させていませんが、元に戻す(許可病床数は749床)と聞いています。

 少子高齢化で、医療費が国民の負担になっています。「競争して勝つ」という時代ではなく、我々医療者自身が無駄な投資、医療費を減らす努力をしないと、日本の優れた医療制度はもちません。医療の原点は医師です。医師の診断により、医療が始まる。医師が多ければ多いほど、医療費は増えていく。ベッド数が多ければ、経営を維持するために、無駄なことをしてしまう。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする