河村顕治研究室

健康寿命を延伸するリハビリテーション先端科学研究に取り組む研究室

大学の地域貢献

2018-01-29 | 大学
昨日の山﨑きよ子教授の講演で、大学そのものの使命として地域貢献が義務づけられたのは2007年の学校教育法改正によるということを知った。

地(知)の拠点整備事業の責任者としては、これは絶対に押さえておかなくてはならない事項だと思い、少し調べてみた。

そうすると、大学による社会貢献が、政策的論点として取り上げられ、各大学がそれに対応していくことが求められるようになったのは2006(平成18)年12 月22 日の教育基本法の改正によることが判明した。

第7条 大学は、学術の中心として、高い教養と専門的能力を培うとともに、深く真理を探究して新たな知見を創造し、これらの成果を広く社会に提供することにより、社会の発展に寄与するものとする。
  2 大学については、自主性、自律性その他の大学における教育及び研究の特性が尊重されなければならない。

これを受けて学校教育法も2007(平成19)年に改正された。

第 83 条 大学は、学術の中心として、広く知識を授けるとともに、深く専門の学芸を教授研究し、知的、道徳的及び応用的能力を展開させることを目的とする。
   2 大学は、その目的を実現するための教育研究を行い、その成果を広く社会に提供することにより、社会の発展に寄与するものとする。

第105 条 大学は、文部科学大臣の定めるところにより、当該大学の学生以外の者を対象とした特別の課程を編成し、これを修了した者に対し、修了の事実を証する証明書を交付することができる。

第105 条の内容は、各大学が主に社会人を対象とした「特別な課程」を編成できるようにし、課程の修了者に対し、学校教育法の裏付けのある「履修証明書」(学校教育法施行規則164 条)を交付できるようにするというものである。

その後、大きな社会的事件として2011年(平成23年)3月11日に東日本大震災が起こった。
大学は震災時の避難場所であると同時に、復興の拠点となった。

平成24年6月
文科省が発表した大学改革実行プラン
~社会の変革のエンジンとなる大学づくり~

平成24年8月28日
中央教育審議会第82回総会
「新たな未来を築くための大学教育の質的転換に向けて~生涯学び続け、主体的に考える力を育成する大学へ~(答申)」

平成25年4月 文部科学省「地(知)の拠点整備事業」募集開始
 我が国は、急激な少子高齢化の進行、地域コミュニティの衰退、グローバル化によるボーダーレス化、新興国の台頭による国際競争激化など社会の急激な変化や、東日本大震災という国難に直面しており、今後、持続的に発展し活力ある社会を目指した変革を成し遂げなければなりません。特に、日本全国の様々な地域発の特色ある取組を進化・発展させ、地域発の社会イノベーションや産業イノベーションを創出していくことは、我が国の発展や国際競争力の強化に繋がるものです。
 こうした状況を踏まえ、本事業により自治体等と連携し全学的に地域を志向した教育・研究・社会貢献を進める大学等を支援することで、地域再生・活性化の拠点となる大学の形成を目指します。

2012年(平成24年)12月26日第2次安倍内閣成立。

2014年(平成26年)9月3日の第2次安倍改造内閣発足時の総理大臣記者会見で「地方創生」が掲げられた。
地方創生とは、第2次安倍政権で掲げられた、東京一極集中を是正し、地方の人口減少に歯止めをかけ、日本全体の活力を上げることを目的とした一連の政策である。

平成27年6月29日 文部科学省 地(知)の拠点大学による地方創生推進事業(COC+)の公募開始
文部科学省では、平成27年度から、大学が地方公共団体や企業等と協働して、学生にとって魅力ある就職先の創出をするとともに、その地域が求める人材を養成するために必要な教育カリキュラムの改革を断行する大学の取組を支援することで、地方創生の中心となる「ひと」の地方への集積を目的として「地(知)の拠点大学による地方創生推進事業」を実施することとなった。

 
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