河村顕治研究室

健康寿命を延伸するリハビリテーション先端科学研究に取り組む研究室

CKCトリビア(なぜ揺動刺激+EMSは有効か)

2009-01-25 | CKCトリビア
昨日の済生会病院の先生方との懇親会で、最新のACL術後患者さんの訓練情況を報告して貰ったのだが、既に6人が予定した3ケ月の訓練を終了していた。
この成績を見ると予想をはるかに上回る驚くべき筋力改善が見られる。

荷重立位周期的水平揺動刺激と筋電気刺激の併用は何故有効なのだろうか。

ひとつは弱い電気刺激でも速筋が刺激されるという逆リクルート特性(逆サイズの原理)が考えられる。
電気刺激は太い神経をまず刺激するので太い神経が支配する速筋が直ちに刺激されるのである。

特に今回は3Hzの揺動刺激に合わせて3Hzという超低周波で刺激されていることも良かったのではないかと考える。
超低周波では1回1回の電気刺激が完全な筋収縮を引き出すのである。

次に、揺動刺激が大腿の筋群を引き延ばしたところに電気刺激による収縮が起こるので、プライオメトリックな筋収縮が誘発されているのではないかと考えている。
揺動刺激で素早いエキセントリックな筋活動が起こり、その直後に電気刺激でコンセントリックな筋収縮が行われるといわゆるストレッチ・ショートニング・サイクルと呼ばれる現象が起こっているのではないかと予想する。

ストレッチ・ショートニング・サイクルにおいては大きな力が発生するとされている。
要するに、まずしゃがみ込んでエキセントリックな筋収縮をさせたほうが高くジャンプできるという現象である。
この特殊なストレッチ・ショートニング・サイクルが機能して、自覚的にはただ立っているだけにもかかわらず、驚くような筋力増強効果が得られたのではないだろうか。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 県立広島大学大学院非常勤講師 | トップ | CKCトリビア(CKC訓練器と... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

CKCトリビア」カテゴリの最新記事