9月24日【Game133/52-81-0】
千葉ロッテマリーンズ 4X-3 北海道日本ハムファイターズ
【勝】田中靖(1勝0敗1S)【負】白村(1勝3敗1S)
【本】加藤 5号ソロ(3回・高梨)井口 2号2ラン(9回・増井)
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〈今日のスタメン〉
この日はロッテ井口資仁選手の引退試合となり、千葉ロッテ先発の涌井投手は
今シーズンの5勝11敗という成績からは、考えられない好投を繰り広げます。
5回に中田にセンター前に運ばれるまではノーヒットノーラン。
いやはや絶頂期の涌井投手を彷彿させるピッチングには、正直驚きました。
中田に打たれるまでは、8三振と日ハム打線は手も足も出ない状態でしたから
もしか!の期待もあったのは確かです。
ところが6回先頭打者の清水にレフト前ヒットを打たれると、アクシデントが
彼を襲います。
それまでの飛ばし過ぎが原因なのか、井口の引退試合ということで、超満員と
なったZOZOマリンスタジアムの熱い雰囲気の所為かは分かりませんが、涌井
投手は手足が痙攣起こし、止む無く投手は松永に交代となります。
結局5回表の終了時では9奪三振は、かっての絶頂期を彷彿させるピッチング
で、この回の途中降板は本当に口惜しかったと思います。
手も足も出なかった涌井が降板をして、その後を引き継いだ松永がきっちりと
ゼロ封に抑えます。
日ハム高梨も6回裏のロッテの攻撃を3者凡退に打ち取り、試合は佳境に突入
をして、7回表には代わった南投手を攻め立て、中田、レアードのタイムリー
であっさりと逆転をし勝利の女神を呼び込みます。
また8回表には、西川のセンターへのタイムリー3塁打で追加点を奪い、3-1
とリードをして、高梨の勝利投手とレアードの決勝打は確実と思われたのですが。
〈一塁に石井を置きセンターへタイムリー3塁打を放つ西川選手〉
その後に起きたことは、日ハムファンには悪夢!
ロッテフアンには奇跡の9回が待っていたとは.........。
その悪夢を招きいれたのは、日ハムのクローザー増井投手であり、奇跡の一打を
放ったのは、この日の主役だった井口選手でした。
9回裏、ライト前で出塁をした代打の清田を1塁に置き、井口が打った打球は
バックスクリーンに吸い込まれました。
球場全体に巻き起こる歓声でボルテージは最高潮に達し、日ハムベンチは「唖然」
とするのみです。
まさに自らの引退試合で9回裏に同点2ランを放つとは、「千両役者」です。
果たして過去にこのような試合はあったのでしょうか?
私の記憶には、このような引退試合は無かったと思うのですが、これが最下位争
いのチーム同士でなければ、仕組まれた八百長と言われても仕方がないでしょうね。
ロッテの勢いはそのまま延長戦となっても衰えず、延長12回には白村がサヨナラ
打を打たれて3-4Xと負けますが、この日ZOZOマリンスタジアムに押し掛けた
ロッテファンは足取りも軽く帰路についたことでしょう。
7回109球と好投をした高梨投手は、試合後に井口選手のサイン入りバットを頂い
たそうです。
「井口選手の引退試合に投げさせてもらい、とても光栄です」と語った高梨投手
は7勝目を目前にしてのチームのサヨナラ負けは、口悔しい思いはあるでしょうが、
長い野球人生にはいろいろな出来事があるものです。
来季のチーム構成は大きく変わる可能性もありますが、ローテの一角として来季は
10勝を果たして欲しいと思います。
<7回 109球 打者27 安打5〈本塁打1〉 三振2 四球2 失点・自責1>
9月23日【Game132/52-80-0】
千葉ロッテマリーンズ 3-4 北海道日本ハムファイターズ
【勝】有原 (8勝13敗0S)【S】増井(4勝1敗24S)【負】有吉 (2勝5敗1S)
【本】大谷 8号ソロ(8回・有吉) 角中 8号2ラン(3回・有原)
(スタメン)
ロッテは先発の関谷が好投を繰り広げるも、3-0とリードをしながら、ヨレヨレ
の有原から追加点を奪えずに逆転負けを喫しました。
それも敗因は、絶不調の中田翔の3安打猛打賞と8回の大谷翔平の8号ホーマー
での敗戦ですから、今年のロッテを語るには象徴的な試合だったと思います。
日ハム先発の有原は初回からストレートに力が無く、コントロールもままなら
ない不安の中、序盤で3失点という苦しい立ち上がりでした。
今年の有原は一挙に崩れる悪い癖があり、この日も負け試合かという不甲斐な
さを暗示する出来の悪さは、到底日ハムのエースには程遠いものを感じました。
感情を出さないタイプですが、マウンド上での落ち着きのなさと、何か投げやり
とも思える投球には、来季は果たして活躍が出来るのだろうかという不安を覚え
たのは私だけではないでしょう。
もしもこの日の対戦相手が、最下位に低迷をしているロッテ以外のチームなら、
早々に降板を強いられ敗戦投手になっていたでしょう。
昨年までの有原にはガムシャラに投げる強さがあったのですが、今年の彼には
「打たれる事への不安と自信の無さ」がありありとマウンド上で見られます。
もしも3回の2失点後、無死1,2塁で大学のチームメートだった中村の併殺
打が無ければ、多分大量失点をして降板をしていたと思います。
ロッテにすると、この試合を決めるかどうかの重要な3回の攻防でした。
野球の流れとは怖いもので、チャンスをみすみす逃すと必ずピンチに見舞われ
るようになっています。
ロッテは4回、5回を3者凡退が続き、有原に立ち直りのチャンスを与えると
試合の流れはすっかり変わり、日ハム打線は元気を取り戻し6回の攻撃につな
がります。
この回はすっかりレギュラーとしての自信を深めている石井(一)が先頭打者
でライトにツーベースを放つと、今季成長著しい松本が1死後レフトへの反撃
の狼煙となるタイムリーツーベースを打ち1-3としました。
1死2塁で3番大谷は遊飛に倒れますが、ここで2回にボテボテの3ゴロを内
野安打として気分も良好だった(多分)中田翔が、チャンスで技ありのライト
前にタイムリーを打つのですから野球は何が起こるか分かりません。
ここまで好投を続け勝利投手の権利を得ていた関谷投手には、まさかの2失点に
なって動揺をしたのか、続くレアードの打席では痛いワイルドピッチで走者2塁
とし自滅への道を進んでしまいます。
踏ん張りどころでレアードが打った遊ゴロを、今度はショート大嶺(翔)がまさ
かの一塁悪送球で3-3の同点に日ハムは追いつき、序盤不調だった有原の負け
は消えてしまいました。
ショート大嶺は前回の対戦でも、痛いところでのエラーをしていた記憶があるの
ですが、守備の要となるセンターラインが弱いと思わぬ落とし穴が待っていると
いう良い例かも知れません。
ショートストップに名手がいるチームは、過去の例からいっても強くなります。
古くは阪神の牛若丸と言われた吉田、華麗な守備で長嶋と三遊間を守った巨人の
広岡、やはり強かりし西鉄の豊田、広島の第一期黄金期の高橋慶彦、同じく広島
の野村謙二郎、西武の石毛と松井稼頭央、ヤクルトのブンブン丸こと池山隆寛と
宮本慎也そして日ハムの金子誠など、強いチームには名ショートがいました。
現在では、ソフトバンクには今宮がいて巨人には坂本、阪神は鳥谷などの名手が
いますが、楽天に入団をした源田とやはり新人の石井一成は将来性は非常に高い
のではないでしょうか。
また脇道にそれましたが
結果は8回に放った大谷翔平の8号ホームランで、日ハムの逆転勝ちとなったこの
試合は、久々の中田翔の3安打という「おまけ」付き試合になりました。
内容から言うと両チームとも収穫のない消化試合とも言えますが、大谷翔平選手を
目当てに球場に足を運んだファンには、満足が得られたかも知れません。