心の色を探して

自分探しの日々 つまづいたり、奮起したり。
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キューカンバーサンドイッチかぁ

2015年07月16日 | ほんのすこし
以前読んだ宮本輝の『水のかたち』(上下巻)の中で 主人公の女性が作るキューカンバーサンドイッチ。それがとても印象に残っていて、キュウリを一晩漬けておいたものを水気がなくなるまで ギュッとしぼるとき、夫の力が必要になるというその場面を想像してみたことを思い出す。
そのあと その本は友人の手に渡るのだけど、読んだ?と聞いたときに同じように そのキューカンバーサンドイッチの作り方のところが印象に残っていると話していたことがあった。
「昔 作ったのよねぇ~」
と その彼女が遠くを見るような眼で ガラスがはめこまれた棚の向こうに まるでその時代が眠っているかのような顔つきで柔らかく笑ったのを覚えている。
彼女の昔とは きっと彼との蜜月だったのか、それとも若さを存分に味わっていた時代そのものだったのか・・・わたしよりほんの少しだけ年上の彼女 その人生はまた波乱に満ち満ちていて 憧れと驚きの目で見ることばかり。その衰えない美貌を見るたびに 若いころ出会った彼女の煙草の煙の中で浮かぶ美しい人が記憶の向こうからやってくる。

そんなことも思い出しつつ、最近 キュウリを見るたび キューカンバーサンドイッチなるものを作ってみたいと思うだが、そのレシピがどこに書かれていたのか全然思い浮かばない。わざわざ本を読み返すのもなぁと思って ネットで調べてみたら クックパッドでも3点しかなかったのがちょっとびっくり。
(注:<きゅうりのサンドイッチ>で検索すると134点もヒットしました。)
でもどのレシピを見ても キュウリを一晩漬けるという作業など どこにも書いていない。わたしが読んだあの本のレシピがますます知りたくなってくる。手元に今 その本が見つからないのが返す返すも残念だ。

仕方がないので 自己流でキュウリを切り つけてみた。先ほど 女の力でギュッと水気を絞ってみたが、やっぱり水気が残る。それでもなんとかこんなでいいかと・・・ってそこまで来て はたと気がついた。
キュウリができても 肝心のパンが無い!
後で買ってきてからの仕事になった。
サンドイッチよりもキュウリのことばかりが頭にあったからだ。サンドイッチを作りたいのか 単にキュウリの力で絞るという作業をやってみたかったのか 自分でもわからなくなった(笑)

サンドイッチといえば これとは別に ふわふわの卵焼きをはさむのも好きだ。
そうだ!キュウリとふわふわ玉子焼きをセットしてみよう。うん そうしよう・・・それにしてもまずパンだな・・・