渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

30数年来の恋人

2017年07月28日 | open



30数年来の恋人の手入れをする。
洗ったら木部が乾燥してカサカサだ。

少し油を注したが、もっと本気で油分を
摺りこむ。









ハンドメイドの文字が誇らしげな石川
刃物製作所のバック社コピー
モデル
ブレードだ。加工精度は極めて高い。
たぶん1970年代物
だろう。




ハンドル木部に摺り込む油は
これである。







アマニ油ね。
亜麻の種子から採れる油で、結構健康
に良い。

また、木製ピッケルシャフトの強度を
保つために磨きこむ
ことに主として
亜麻仁油は使われるという。


こんなビンテージピッケルの頃は
アマニ油で磨くのが常識
だったの
だろう。


う~む。かっこよすぎる。

また、家具などのオイルステインにも
アマニ油が使われる。


亜麻の色はこういう色だ。






どう見ても綺麗な落ち着いた水色、日本
の和色でいったら、
縹(はなだ)色と
いう物に少し紫が入ったような色である。


縹色。会津藩剣術指南番の下げ緒の
指定色である。



亜麻の花の色はこういう色だ。亜麻自体
の茎は当然にして緑だ。

ところが不思議なことに、「亜麻色」と
いうと、薄茶色のことを指す。



こいつぁ、おいらは子ども時分には
解せなかったね~。

亜麻の花の色は小さい時から好きな色
で亜麻の花が
青色と知っていたからだ。
そもそも一番好きな花の色は紫陽花
の花
の色だ。(生えている土地の酸性度の
違いによりアジサイ
の花は赤系か青系
か決定して来る)


存外植物は子どもの頃から好きだった。
これは亜麻。


植物は好きだったが、ハカランダとブラ
ジリアンローズウッドがまったく
別種の
植物だとはつい最近人から教えてもらう
まで知らなかった。

ハカランダとは南米全域に生息する紫色
の花を咲かせる桜のような
大木であり、
一方、ワシントン条約で輸出が禁止され
ているブラジル
のブラジリアンローズ
ウッドは、白い花をつけるブラジルの
ごく一部の
エリアにしか存在しない樹木
のことだったのである。

ずっとハカランダ=ブラジリアンローズ
ウッドかと思っていたが、違った。

ブラジリアンローズウッドはハカランダ
の範疇であるが、ハカランダ=
ブラジリ
アンローズではない、という関係性なの
だった。


亜麻仁油は銃の木製ストックやナイフの
ハンドルにも使われる。

まったくベタつかずサラサラしていて、
それでいて必要な油脂を補給
できるから
だ。

特に食用アマニ油は、油自体を引用する
こともでき、サプリメントにも
なって
いる程で、無臭に精製されている。

木製品をオイルアップするには胡桃油
や葡萄油などよりもベタつか
ないので、
やはり伝統のアマニ油が最適のようにも
思える。


亜麻仁油で磨き上げてみた。


なんだかイイ感じっぽいですよ。




折角だから、これも磨いてみることにした。
ヤマハの友人がヨーロッパから日本に持って
来て私にくれた
北欧のククサだ。


アマニオイルアップ!
をひ。なんだかとてもいい感じ♪




比較画像


これね、作るのすんごく大変だと思い
ますよ。製作動画とか
見たりしたけど、
とても手間がかかる。くりぬきだから
ねぇ。

しかもろくろなどは使わない手捻り(違
日本の御御御付けを飲むお椀も木製だ
けど、あれはロクロ
を使ってるからね。
同じ無垢材からの削り出しでもこの手
作業
掘り込みカップとお椀はかなり
異なる。お椀は漆塗が世界的
な技術
だよね。漆文化は日本文化だし。



ククサの良いところは、北欧の人々の
空気が身近で感じられる
ことです。
こういう民族的な物って、とても味が
ある。

でもって、日本の民族的な物といった
ら、そりゃあもう味噌汁だね。

御御御付け。

なんか西日本って「おみおつけ」って
言わないんだよなぁ。「はぁ?」

なんてこと言われちまう。
あと、「御新香(おしんこ)」も言う
と「はぁ?」だよ。最近でこそ吉野家

が西日本にも進出したから「おしんこ」
が全国区になったみたいだけ
ど。
俺ね、一番ショックなのが、西日本
での握り寿司(そもそも江戸前
握り
ではない刺身シャリでしかないが)
にはコハダが存在しない事
がすごく
ショックだった。

あとのり巻き=かんぴょう巻きが存在
しない。

かんぴょうだけだと寂しいとか言われて
たりするんだよなぁ
(笑
かんぴょうを出汁煮込みするのって、
結構難しいんだぜ。


ということで、30数年前のICカット
のナイフ(下手したら40年物)に

フォーリン・ラブだ(表現が古)。
ブラスボディの憎いやつ!夕刊フジ!
みたいなのね(関東人に
しか解らない
CM)



でもって、1979年頃には、おいらは
どんなナイフを愛用していたかという
と・・・フォールディングではなく、
もっぱら軍用ナイフだったという・・・。
レジャーキャンプなどで使えるか、
あんなもん(笑
まったく考えて作ってねえよな(苦笑
ありゃあ、鉈というか鈍器みたいな
もんだぜ。

ナイフは難しいよね。
汎用品であるのがナイフなのだけど、
特化された物のほうが優れている真実
がある。汎用品であるナイフこそ優れて
いるのに特化品を凌駕できない事実が
ある訳で、そうなると、別な視点では
汎用性の高いナイフは優れていない、
という論理も成立する。
難しいよね。