親戚事があって、長く育った北区の町に足を向けました。家の前の公園、何百回と滑り降り、駆け上がった滑り台、後ろにこけ落ちて背中をしたたか擦りむいたブランコ、フラフラと「世界一周」をした鉄柵。あまりにもそのままの、風景。
---追記。---
電車に揺られ、うたた寝をしながら懐かしい夢を見たような気もします。今帰りつきました。ただいま。お帰り。
この公園には、本当に沢山の思い出があります。3歳から、小学校4年生くらいまで、ずっと住んでいた家の前にあった公園で・・・、いや、公園はずっとあった。今でもありました。僕がこの公園の前に、その期間住んで居た、ということなんですよね。
夏休みの朝には、この公園でラジオ体操をやっていました。ハンコを貰いに、6時だかに起きて、行ってました。一日寝坊して行きそびれると、その次はなんだか行き辛くて。
学校から帰ると、毎日のようにこの公園で遊びました。イロオニ、タカオニ、ケイドロ、カンケリ。泥団子作りに、さっきも書いた「世界一周」。なんのことはない、公園の周りの柵の上を歩いたり、ジャングルジムの中を「こっち、こっち!」と歩いたり。公園を一周するだけなんですが(笑)。「お前、世界、知ってる?」「うん、知ってるよ!こっちだよ。」。知りもしないのに、先頭に立って、よく歩いたものです。
砂場では、上級生の作るトンネルがやけに大きくて、きれいでかっこよく見えて。水を使って、上手に固めるんですよね。ぼくら低学年には出来ない芸当で。真似してみるんですけど、大抵水を付け過ぎて、グチャッって、崩れちゃうんですよ。
夏にはバケツに水を溜めて花火、それから夕涼み。夜中に目を覚ますと、隣に居るはずの家族が皆んな居ない。寂しくて、心細くて泣きながらも見当は付いていて、寝巻で公園にタッタカ行くと、皆、団扇(うちわ)片手におしゃべりをしてる。「あれ、起きちゃったの?」なんて言われながらも、妙に安心したりしてもうニコニコしてて。
自転車の補助輪を外して練習をしたのは、写真手前側にある道路でした。
写真右奥にあった大きな空き地では、野球。軟球でしたけど、キャッチャーをやって受け損ねて目玉に思いっきり当たって、本当に火花が出て、痛くて、痛くて。それからキャッチャーは二度とやってません。
夕暮れに、中学生同士でケンカをしているのを見たことがあります。2人くらいに10人以上が寄ってたかって。ケンカというより、あの頃の言葉で「リンチ」ってやつだったような気がします。ボコボコにされて、涙でくしゃくしゃになりながら、大声を上げて泣く中学生。僕達からしたら大人のその中学生を、何をするでもなく、遠巻きにじっと見ていた記憶があります。
突然大声を上げる怒りんぼうの、ちょっと変なおばちゃんがよくこの滑り台の横にあるベンチで日がなタバコを吸ってました。今思えば、ちょっと「うすい」人だったと思います。でも僕らを見ると「坊、今日は何して遊ぶんだ?ケッケ。」なんて声を掛けてくれました。あのおばちゃん、いっつもニコニコ笑ってた。でも、さすがにもう、いないんだろうな・・・。
思い出の一杯詰まった公園。今日、20数年ぶりに訪れて、なんだか玉手箱を開けたような気持ちになりました。
では。もわもわ~ん。