少々気が早いかもしれませんが、冬には鍋っ。冬じゃなくても、肌寒い日には鍋っ。
鍋・・・「な」を煮る「へ」。「な」とは菜の花とか、肴(さかな)の「な」、転じておかずの総称ですナ。「な」を煮る為の、容器・瓶(かめ)を「瓮(へ)」と言いました。合わせて、なへ→なべ。
写真は先日お邪魔した博多で食べたモツ鍋です。
モツとキャベツ、ぶつ切りにした大きな大蒜をタップリ。唐辛子を廻しかけ、あとは少々煮るだけです。この鍋に蓋は無くて、その代わりが、この大量の韮。この山盛りの韮が、蓋の役目をするんですよ。
モツ・・・臓物(ぞうもつ)のモツです。動物の内臓ですね。これを「ホルモン」とも言いますが、この語源、本当はドイツ語の「Hormon」、ほら、そのまま男性ホルモン、や女性ホルモン、副腎皮質ホルモン、なんかのホルモン(体内化学物質の総称)なんですが、まぁ「関西でなー、この内臓は昔は食べないで捨ててたからなー、まぁ「放る(捨てる)物っちゅーことで、ホルモン、ちゅーんよ。」という良く聞くお話のほうが、飲み会向きですよね(笑)。
モツ鍋をいただく時は、僕は大好きな大蒜をめちゃくちゃ大量に入れちゃいます。健康にいいですしね。体も本当にポッカポカしてくるし。生姜も身体を温める効果がありますが、こちらは即効性(生姜湯など)で、大蒜は遅効性。なので生姜よりも長~く温まります。ま、匂いはご愛嬌ですけどね。ラーメン屋さんのカウンターにおろし大蒜が置いてないと、僕はちょっと寂しく感じます。侘(わび)しくなります。切なくなって、さらにはひもじく・・・って、いくらなんでもそれほどじゃないだろ~っ。
えー、でも。でも(笑)?お鍋って、本当に美味しいですよね。ヘルシーだし。メルシーボークー。いや、えー(笑)、み、皆さんはどんなお鍋がお好きでしょうか。僕は、まぁ闇鍋以外なら何でも好きですが、昆布出汁と醤油のサッパリした鍋なら、冗談抜きで三ヶ月毎晩でもOKです(笑)。やーほんと鍋うまーい。鍋おいしーい。
おいしい・・・「いし(美し)」とう「美しい」という意味を表す言葉に「い」が付き、「いしい」に。それに接頭語の「お」が付き、「おいしい」になりました。本来は物事が「素晴らしい」とか「優れている」「見事だ」という時に使われていたのですが、昔の女性が、食べ物が美味な時にこの言葉を使い出し、広まったんだそうです。そして男性は「うまい」を使っていたそうですね。こちらは元々男性言葉のせいか、今でも「おうまい」とは言いませんね(笑)。「うまい話」、「おいしい話」などと言いますが、これ同じ意味なんですが、なんとなく「お」が付いている分、「おいしい」の方が丁寧な感じがして、ちょっと真実味があるというか(笑)。いや、最近何かと危ないですからね、「おいしい話」にも簡単に乗ってははいけませんよ~(笑)。
さて、あらかた頂いたら、残ったスープでちゃんぽんか、雑炊を作っちゃいましょう。鍋の楽しみって、この味の二段ロケットみたいなところにも、ありますよね。さあさあっ。どっちにしましょ。
ちゃんぽん・・・リンガーハットの長崎ちゃんぽんで有名ですが(安くて美味しいので良く行きます。辛味噌を少し入れるのがお気に入りです。)、もともと「混ぜる」という意味の朝鮮語、ポルトガル語、オランダ語から。これらみんな同じ語感を持っているって、面白いですよね。北京語でも「Chan(チャン)」で、混ぜる、という意味があるそうです。沖縄の「チャンプルー」とも同義語だそうですね。そういえば、あれも色々混ぜて、炒めてありますね。
雑炊・・・お米に水を入れてかさを増す「増水」から来ています。色々具を入れるようになって、「雑炊」という当て字が生まれ、これで定着したんですね。ちなみに「米」は、元々「ヨネ」と呼んでいたそうでですが、「米」には神聖なもの、生命力が宿っているということで、「籠(こ)められたもの」、そこから「籠める」、「こめ」、と呼ぶようになったんですね。そういえば「一粒のお米には七つの神様がいるんだよ」って、習いましたよね。ってことは世が世なら、あのカッコいいバンドは、「ヨネヨネクラブ」(笑)。
となりの鍋で雑炊を、こちらではちゃんぽんを作り、両方しっかり頂きまして、さすがにそろそろ、ご馳走様。ぷぅ。お腹一杯です。思ったよりすぐ減りますけど(笑)。
ご馳走様・・・「馳走」、呼んで字のごとく、走り回ることなんですが、これはお客さんの料理を用意する為に走り回る、という意味が元になっています。そこからお客さんを「もてなす」、という意味になりまして、食べた側は、そのもてなしに感謝して「御(ご)」と「様(さま)」を付けて、ご馳走様~っ、というわけなんですね。
ではー。いっただっきまーす。って今からかい~。