【名水百選、北アルプスの雪解け水が1日70万トン】
信州・安曇野は至る所から北アルプスの雪解け水が湧いて出る。1985年には環境省の「名水百選」、96年には国土交通省の「水の郷百選」に選ばれた。湧水量は1日に約70万トン。水温は真夏でも15度を超えることがないという。その豊富で清澄な水を使って特産のワサビの栽培やニジマスの養殖が行われている。観光名所の「大王わさび農場」は東京ドーム11個分と広大。ワサビは直射日光に弱いため、晩春から夏にかけては黒い寒冷紗で覆われる。農場のすぐそばを流れるのが万水川(よろずいがわ)と蓼川(たでがわ)。底まで透き通った水を満々とたたえ、早い速度で流れていく。黒澤明監督の映画「夢」で使われた水車が今も残って、日本の原風景に懐かしさが込み上げてくる。