【子どもの能や童謡、語り、フラメンコ……】
奈良市の学園前ホールで1日「なら・トレド 古都♪古都フィエスタ」が開かれた。スペインの古都トレド市との姉妹都市提携から40周年になることを記念したイベントの1つ。太鼓の演奏によるオープニングに始まって、子どもの能や日本・スペイン両国の童謡、語り、フラメンコなど、多彩で愉快なプログラムが次々に繰り広げられた。
トレド市は首都マドリードの南約70キロに位置し、かつては西ゴート王国の首都として栄えた。〝町全体が博物館〟といわれ旧市街は世界遺産に登録されている。ルネサンス期を代表する画家エル・グレコがその情景に魅せられ、後半生を過ごしたことでも有名。両市は1972年9月に姉妹提携に調印した(奈良市のその他の海外の姉妹・友好都市は韓国・慶州、中国・西安、フランス・ベルサイユ、オーストラリア・キャンベラ、中国・揚州)。
古都フィエスタではなら100年会館こどもお能グループによる能「鶴亀」と「猩々」に続いて、「童謡でつなぐ日本とスペイン」としてスペイン語による歌や奈良のわらべ歌が披露された。その中で行われたスペイン式の長縄跳びが少し変わっていた。数回跳んでは縄を子どもの上でクルクルと旋回させていた。わらべ歌は「音声館ならまちわらべうた教室」の小学生たちが歌ったが、教室全体の受講者は現在7クラス合わせて1歳から90歳まで約400人に上るという。
続いてスペインの作曲家ファリャの「火祭りの踊り」が十三弦・十七弦の琴とエレクトーン4台で演奏された。もともとは管弦楽曲だが、一味違った和洋のコラボだった。休憩を挟んで両国の語りと演奏があり、「屯鶴峯(どんづるぼう)物語」と合唱付きの「ドン・キホーテ物語」(本邦初演)が披露された。最後は学園前に拠点を置くフラメンコ教室「エル・ビエント」のメンバー約30人によって、歌とギターの伴奏で華麗な舞踊が繰り広げられた。「エル・ビエント」は発足20周年を迎える来年の5月、なら100年会館大ホールで第10回発表会を開催の予定。