く~にゃん雑記帳

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<オニタビラコ(鬼田平子)> タンポポに似た黄花を散房状に

2021年04月23日 | 花の四季

【近年は“アオオニ”と“アカオニ”の2種に分類】

 道端や公園、空き地などでごく普通に目にする機会の多いキク科オニタビラコ属の越年草。学名は「Youngia japonica(ヨウンギア・ヤポニカ)」で、「日本の」を意味する種小名が付いているが、朝鮮半島や中国、東南アジア、オーストラリアなどにも広く分布する。タビラコと付く野草はほかにタビラコ(コオニタビラコとも)とヤブタビラコがあり、タビラコは「仏の座」として春の七草にもなっている(シソ科のホトケノザとは別物)。ただ、この2種はヤブタビラコ属で、オニタビラコとは別の属に分類されている。

 根出葉がロゼット状で冬を越し、春になると花茎を立ち上げ上部でよく分枝して散房花序にタンポポの花を小さくしたような黄花を10~20個付ける。草丈は20~100cmと、生息環境によってかなり幅がある。花後に綿毛を付けた種子を風で飛ばす。学名(属名)のヨウンギアは米国の植物学者ロバート・アームストロング・ヤング(1876~1963)の名前に因む。和名の「鬼」は草姿がタビラコやヤブタビラコより大きいことから。「田平子」は根出葉が田んぼに平たく張り付くように広がる様を表す。

 オニタビラコはかつては1つの植物として扱われていたが、最近は葉の色や花茎、花の大きさなどの違いによって「アオオニタビラコ」と「アカオニタビラコ」の2種類に分類されている。アオオニは根出葉が緑色で葉先が尖り、株元から細い茎を何本も立ち上げる。茎には葉がほとんど付かない。一方のアカオニは根出葉や茎が赤みを帯びるのが特徴。太い花茎を1本立ち上げることが多く、途中に数枚の葉が付く。花径はアカオニが7~10mmなのに対し、アオオニは8~13mmとやや大きめ。アオオニは西日本で多く見られ、開花時期が春~秋と長いが、アカオニは東日本に多く分布し、開花も春に限られる。ただ両者の雑種とみられる中間型も見られるようだ。

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