【若手工芸家100人余+ワークショップ+飲食ブース】
奈良県大和郡山市の郡山城址で5月18日、現代工芸フェア「ちんゆいそだてぐさ」が始まった。19日までの2日間の日程。会場には若手工芸作家100人余の工芸クラフトブースに加え、16のワークショップブース、30店の飲食ブースも設けられ、初日から家族連れなどでにぎわった。
2013年から始まり今回で12回目。タイトルの「ちんゆい」は金魚の中国語での発音。金魚は沢山の卵を産むことなどから、原産地中国では縁起物とされる。中国から渡来した金魚は江戸時代に一大ブームを巻き起こした。
18世紀半ば刊行の『金魚養玩草(そだてぐさ)』(安達喜之著)は日本初の金魚飼育書といわれる。「ちんゆいそだてぐさ」のフェア名には金魚の街⋅大和郡山の地から多くの工芸家が育ってほしいとの願いが込められているわけだ。会場入り口には金魚模様の布が風に揺れていた。
主会場は城址会館(旧県立図書館)前の広場と追手門向櫓前の広場。陶磁器や木工、金工、ガラス、皮革製品などの展示ブースがまさに所狭しと並ぶ。
関西以外の出展者では岐阜県の陶磁作家が目立った。東日本からは東京や茨城、静岡、長野など、西日本からは沖縄、広島、岡山などの出展者も。沖縄県読谷村に工房を構える伊波祐也さんの焼き物は植木鉢やカップなどが独特の柄と風合いで注目を集めていた。
女性客で賑わっていたのが京都の志知希美さんの“加賀指貫(ゆびぬき)”のブース。そのカラフルな美しさがアクセサリーとして人気を呼んでいるようだった。
奈良県下市町の大竹洋海さんは吉野杉を使った家具や灯りづくりに取り組む。今フェアには木目の美しさを生かした皿や丸盆、一輪挿しなどを出品していた。
ワークショップは陶芸のろくろ体験、ベンガラ染め、ペンダント作り、粘土細工、ドライフラワーと多彩。瓢箪を使ったマラカス作りも子どもたちの人気を集めていた。
フェアの盛り上げに一役買っていたのが足長パフォーマー。子どもたちが驚いた表情で見上げていた。
城址会館そばの木陰では何組もの親子が太鼓打ちに興じていた。さて、その楽器は? アフリカの太鼓「ジャンベ」かな。
追手門櫓など会場内のあちこちに設けられた飲食ブースも終日大にぎわい。買い求めるお客さんの列が絶えない店もあった。