私の町吉備津

岡山市吉備津に住んでいます。何にやかにやと・・・

“盗殺”された夫1

2016-09-04 07:02:22 | 日記

       “悪斯謀叛<コノミカドヲ カタブケムトスルコトヲ ニクミテ>”

 と読ましております。この楠媛は天皇に対する忠誠心が夫よりも大きく、天皇に反逆する夫「吉備臣弟君」をそのまま黙って見過ごすことができなく、

         “盗殺其夫<ヒソカニ ソノオットヲ コロシテ>”

 「密かに殺して」です。誰にも知られないようにです。そして、その遺体を室内<コヤノナカ>に埋め隠します。誰かに手伝わしたのでしょうか。女性一人で出来ることではないと思いますが。

 この妻に殺された「弟君」の生涯をどう思われますか。まさかと思っていた妻にですよ。命を奪われるのです。そんなことってありましょうか。
 この楠媛、よほど気丈夫な女性だったのでしょうね。大悪天皇とまで称せられていた「雄略天皇」に、普通なら、そのような忠節心は起こらない筈です??。もしかして、天皇が、予め、このような事も起きかねないと懸念して、妻と云う名の忍者を弟君に添わしていたのかもしれませんね。そうとしか考えられません。この妻と一緒に遠征すると言う風習は、当時の社会では、決して、珍しい事ではなかったのです。
 あの斎明天皇の百済救済のための出兵にも、沢山の女性を引き連れて戦いに参加しております。あの悲劇の女性「大伯皇女」が生まれたのもその戦団の中の出来事ですもの!!!!