“悪斯謀叛<コノミカドヲ カタブケムトスルコトヲ ニクミテ>”
と読ましております。この楠媛は天皇に対する忠誠心が夫よりも大きく、天皇に反逆する夫「吉備臣弟君」をそのまま黙って見過ごすことができなく、
“盗殺其夫<ヒソカニ ソノオットヲ コロシテ>”
「密かに殺して」です。誰にも知られないようにです。そして、その遺体を室内<コヤノナカ>に埋め隠します。誰かに手伝わしたのでしょうか。女性一人で出来ることではないと思いますが。
この妻に殺された「弟君」の生涯をどう思われますか。まさかと思っていた妻にですよ。命を奪われるのです。そんなことってありましょうか。
この楠媛、よほど気丈夫な女性だったのでしょうね。大悪天皇とまで称せられていた「雄略天皇」に、普通なら、そのような忠節心は起こらない筈です??。もしかして、天皇が、予め、このような事も起きかねないと懸念して、妻と云う名の忍者を弟君に添わしていたのかもしれませんね。そうとしか考えられません。この妻と一緒に遠征すると言う風習は、当時の社会では、決して、珍しい事ではなかったのです。
あの斎明天皇の百済救済のための出兵にも、沢山の女性を引き連れて戦いに参加しております。あの悲劇の女性「大伯皇女」が生まれたのもその戦団の中の出来事ですもの!!!!