私の町吉備津

岡山市吉備津に住んでいます。何にやかにやと・・・

闇中に莫作して雨も又奇也とせば

2016-09-20 07:25:15 | 日記

 蓑笠庵が次に取り上げたのが

           “雨朦朧として鳥海の山かくる。闇中に莫作して雨も又奇也とせば、雨後の晴色又頼母敷と・・・”
 です。
 まず、「朦朧」について、「円機活法」と云う本からこの言葉を説明しております。こんな本、私は今までに見たことがありんせんが、ネットで調べてみたのですが、中国の古い用語の解説書だそうです。その中に

 “日未だ明かざる也”ト云物ノヲ、ボロニ見ユルコトナリ。

 とあり、これも漢詩の中に「楼閣朦朧細雨」と歌われてあり、それらの言葉から、この鳥海山を語る時、芭蕉が引用しているとしております。更に、「莫作<モサク>」については、コンピューターにもない字ですので、写真で見てください。

                        

 とあります、要するに「模索」の誤りだして、その意味は「暗がりに探って見ても知ることができる」で、「暗がりの中に坐して鳥海山の辺りを見るとその姿がおぼろげに見える」と云う意味だと説明しております。
 又、その次に書かれておる

                              “雨も又奇也とせ婆、雨後の晴色又頼母敷・・”

 についても、前にも書いたのですが、蘇軾の詩”水光瀲灔晴方好 山色空濛雨亦奇 ・・・”を基にして、この文章は書かれているのだとしてあります。