青山の木々を、海や川の水まで枯らしてしまうほど、ものすごい勢いで「須佐之男命」が泣きます。その様子を古事記には
“哭伊知流<ナキイサチル>”
と書いてあります。「イサチル」とは「激しく泣叫ぶ」と云う古語だあそうです。そのように哭きながら須佐之男は答えます。
“僕者欲罷妣国根之堅修国<ワタシハ ハハノクニ カタスクニニ マカラムトオモウ>”
と。
ここで、又、「ちょっと待って下さいよ」と、ちょこっと変んな事が思い付きます。そうですよね。「須佐之男命」が生まれたのはイザナギの鼻から滴り落ちる水からお生まれになったはずです。そうすると、母は「イザナギ」であって、「イザナミ」ではないはずですがどうでしょうか。それに付いても宣長は色々と詳しく説いておりますが、要するに、その生まれる元はと云えば「イザナミ」のいる黄泉に行ったから生まれたのですから、やっぱり母がイザナミだと苦しい言い訳風に説明しておりますが、面白い発想だとは思いませんか。どうでしょうかね????
なお 「妣」は<ハハ>とよむのですが、「亡母」と云う意味があります。では、亡き父はと云いますと、これ又面白い字ですが、「考」だそうです。漢字ってとっても面白いですね。生まれて初めて知りました。念のために・・・・・・・・