八島士奴美神<ヤシマジヌミノカミ>が
“刺国若比売<サシクニワカヒメ>”
に生ました神が
“大国主命”
なのです。
スサノヲの孫に当たる神です。この神の名前は、此の他に四つも名前を持っています。五つも別な名前を持っている神様は他に例を見ません。それだけこの神様が我が国においては特別な地位を凝って伝えられてきたという証拠でもあるのです。出雲の国だけでなく、全国至る所にこの神様は祭られております。
①大穴牟遅神<オオホナムチノカミ>(書紀には“大已貴<オホアナムチ>”と)
②葦原色許男神<アシハラシコヲノカミ>
③八千矛神<ヤチホコノカミ>
④宇都志国玉神<ウツシクニタマノカミ>
さて、このように日本各地に敷衍して行ったスサノヲの子孫ですが、このスサノヲ自身はどうなったのでしょうか。古事記にはその辺りの記述はありませんが「書紀」には、その後、かねての希望通りに、妣(はは)なる国「根堅洲国<ネノカタスクニ>」へと赴いたと有ります。