因幡の白ウサギのお話は、私は、当時の出雲地方における海人<アマ>族と山辺族が覇権を争った戦争ではないかと思います。最初はお互いに自分たちの領域内で生活が維持できたのですが、生産手段の進歩により、特に、山辺族の人口増加に伴い、海人族の領地にまで侵略してきたのです。干拓か何かの問題で、両者に行き違いが生じ戦いになり、海人族は山辺族を、徹底的に、完膚なきまでに打ち負かしたのです。
ちょっと又横道ですが、この「完膚」とは、まさに、因幡の白ウサギの故事からできたのかと思えるような漢語ですよね????。
それはそうとして、戦いに負けた「兎族」、山辺一族ですが、行き場がありんせん。山奥に逃げ隠れするしか方法はありません。その将来を心配してわいわいがやがやと相談している所に、たまたま。オオクニの兄たち「八十神が通りかかります。兄たちは兎の話を聞き
「塩水を浴びて寝ろ。」」
と教えます。と云うことは、海人族の支配に入れと言うことです。「奴隷となれ」と言うのです。仕方なくその支配下になりますが、誠に厳しい生活を強いられます。死ぬほど辛い仕打ちです。そこに遅れてきたオオクニがその話を聞きます。
「ガマの穂綿に体を包めよ」です。これはオオクが、対海人族との戦いに使う山辺族独特の戦法「ゲリラ戦法」を教示したことを意味します。あのヤマタノオロチとの戦いに使った戦法です。その作戦により山辺族は、ようやく海人族を倒し、出雲の国を統一し平和をもたらします。と云うことは、相当、オオクニ方、即ち、大和方の援助が働いたと思うのですが・・・・
このようにして出雲も大和に与されます。大和が目指すのは、後は、吉備と筑紫を残すだけとなります。