またまた例のお方からお便りが届きました。
「それにしても、ようも あげえなものを どこからひっぱりだしたんかしらんが、どこが思わせぶりな写真なんじゃ。」
と、ご指摘がありました。昨日の写真の一部をお見せします。
御殿の前にある庭です。何か変じゃありませんか、あれだけ細かく正確に他の挿し絵は描いたのに(右の絵)、どうしてこの絵だけはありそうもない、例えば、お川にある橋でもそうですが、全体の構図そのものが現実にはありそうもない絵になってしまっております。と云うことは、此の挿絵から、御殿の中に、今、行われようとしている景色をそれとなく思わせぶりに書いたのではないかと私は想像しているのです。夢か、うつつか、幻か、あってないような物語をそれとなく暗示するための描写だと思うのですが。
“花容満目。香風裂鼻”
さて、このような幻の中で男は一体何を考えるでしょうか・・・・それを本には
“心去無人制”
と。これはいいことか悪いことかと云う良心が何処かへ消え去って、自分で自分の行いを自制することができなくなってしまうのです。