玉手差纏(たまでさしまき)で、 「玉のようなあなたのその白くて強い手を私の頭に挿しこんで」と云う位の意味だと思います。その後は
“毛毛那賀爾。伊波那佐牟遠<モモナガニ イハナサムヲ>”
とあります。遊仙窟では“摩挲髀子上。一齧一快意”のような卑猥な表現はありませんが、でも、これは、そのことを強く印象づける「股を長々と伸ばして、一緒に寝ましょう」という意味になります。
なお、ここで言う「伊<イ>」とは「寐<イ>」で、「寝る」と云う意味です。随分と相手の人の気を引くことばではないでしょうか。それを聞いているだけで、いくらしても開けてくれない戸の外で待っているオホクニはどんな気持ちでいたのでしょうかね??????それこそ、遊仙窟では、朝を告げる鳥の声を聞いて”薄媚狂鶏<ナサケナキクルイドリ”と男を歎かしたのとは違って、早く夜が明けてくれないか「鶏よ。早く早く鳴いてくれ・・・・」と、ため息交じりで待っていたのだろうと想像します。、あの大黒様でさへ、そんなせつない体験をしたのですよ。神様の恋も、なかなかおつなもんだと思われませんか???特に、このオホクニの恋は大変面白いですよ。神様の中では飛びぬけております。このように恋の仕方を熟知していたオホクニをお祭している出雲大社ですから、このお社が「縁結びの神」と云われている所以なのですよ???