[勒]を「イタキ」とよましております。この歓びをどう云い表していいか分からに程の歓楽を<イタキ>言い表わしております。「生々不窮」です。それが「意快<ココロ ココロヨク>」です。と云うことは何を意味するのか???言わずもがなですが、「陰陽ノ交合」と説明してあります。それが、また、男のこころ、女こころのかもしれませんが、
“一勒一心傷<ヒトタビ イタキ ヒトタビ ココロイタマシ>”
へと変じて行くのです。これを、また、どう解釈すればいいのでしょうか??? 身から湧き上げるうずくような嬉しさと言うより、どちらかと云うと人の心の感情を越えた、いいのか悪いのか、嬉しいのか悲しいのか、何かこころが締め付けられ、一瞬の何とも言えないような陶酔境に陥ったようなあの気分に陥る状態を云うのです。それが「心傷」なのです。「痛い」????どうでしょうかね。その時、心に湧きあがったその陶酔感が何か心を締め付け、痛めつけるように思われたからだ、と解説がしてあります。これを読んで、私には、さらに、「勒」と「心傷」の前に付けている「一」と云う字の持つ特色が文全体をものすごく文学的に高める効果があるように思え、エロチシズムと云うよりも何か崇高な文学作品の中に自然と引きずり込まれるようにさへ感じるのですが。
まあ、81歳の老体が読む本です。そんなエログロなんて感情は、とっくの昔に何処かへ吹き飛んでしまっておる耄碌爺さんの思うことかもしれませんが。どうお思いでしょうかね????そんな人ではない枯れ木同然の者が書いておりますが、後数回、此の続きを臆面もなく書く綴ってまいります、お暇ならお読みください。