「そんなに騒がしく大声で喚かないでください。お願いします。」
と、沼河比売の家の中から聞こえてきました。その終わりを告げる言葉が
“許遠婆<コヲバ>”
「以上です。」
此の言葉はオホクニと沼河比売と歌で問答した中に3度使われております、最初は、オホクニが比売に大声で呼びかけた時です。次は、日売がオホクニに対する返歌の時です。3度目は大変な淫乱な意味深な歌を歌った姥か誰かの歌った言葉にあります。
この「許遠婆」で、オホクニと比売との歌のやり取りは終わります。此の後は
“其夜者不合而。明日夜 為御合也”
<ソノヨハ アワサズテ クルヒノヨル ミアヒシタマヒキ>で、二人の歌での問答は、凡て、終わっております。その夜は、遂に、そのまま二人は合う事がなく
”毛毛那賀爾 伊波那佐牟遠<モモナガニ イハナサムヲ>”(足を延ばして、一緒に寝ましょう)
と云う約束事は果たすことができなかったのです。、だから、「会」でも「逢」でもなく「合」と云う字を使ったのが、やっとのことオホクニの思い通りに事が運んだのは次の夜の事だったのだと、わざわざ、説明が御丁寧にも付け加えられているのです。すぐにその時でも家の戸口ぐらいは開けられたのではと思うのですが、どうしてだったのでしょうかね????????