大手企業の赤字転落や人員削減が毎日次々に報じられれている。
そんな時に、巧みに商機をつかむつかむ中小企業がある。
愛知県の豊橋市で、100万分の1gの歯車を開発している「(株)樹研工業」の松浦元男社長は、トヨタが大幅な減益見通しを発表した昨年11月を境に、大手からの注文が急激に減り、今は昨年比割程度まで落ち、月次で赤字に転落したと、日経ビジネス2月16日付の記事で語っている。
*同社の概要:元気なモノ作り中小企業300社に選定
米粒に大量に乗る重さ100万分の1グラム、直径0.147ミリメートルの超小型樹脂歯車『パウダーギヤ』。超微細プラスチック精密射出成形技術は世界屈指。
そういう中で、松浦社長は売上高の3割に当たる7億を投じて、「ナノ切削」の開発に挑戦している。景気回復時に出遅れないよう備えるためらしい。
今回の不況は落ち込みが激しかった分、立ち上がりも早期に急激に起こると見ているためだ。
世の中のマスコミ情報は、不況、輸出減、人員削減等々、後ろ向きの情報で溢れている。そういう中で、現実を真っ直ぐに見据え、巨額投資で健康や環境をキーワードに新規事業を拓く同社の方向性を強く打ち出している企業に、日本企業のたくましさを覚える。
ぜひ、今後の日本の中小企業のモデル企業として、目を離さずに注目していきたいと思います。
かごしま企業家交流協会