タイには大田区
ベトナムに「関西村」
おもしろい取組が行われている。
大手企業の下請けが一体となって海外に出る例は多いが、大手の系列に属さない中小企業も進出を迫られている。
中小企業白書によると、13年の休廃業・解散件数は08年比16%増の約2万9千件。内需の縮小で事業の継続が厳しい状況だという。そういう国内の事情で、政府は、今後海外に展開する中小企業を今後5年で1万社増やす目標だという。
国内はどうなっていくのか。国内で生きていけないから仕方ないと言えば、仕方ないが。そういう中で、大田区と関西の事例は参考になる。
東京の大田区では、タイのアマタナコン工業団地にある「オオタテクノパーク」は、現地の団地運営企業が06年に開設したもの。増築を繰り返し、計8千平方メートルの賃貸工場用地を自動車向け部品製造など12社で埋め尽くしているという。これまで撤退した企業はなく今も空きがない盛況ぶりだ。「オオタにいるだけで営業活動になる」(ヤシマの福田雅彰取締役)といい、営業力の乏しさを補えるほど、オオタブランドの認知が広がっ手いると言うから、すごいことだ。
又、ベトナムの南部ドンナイ省の「ロンドウック工業団地」内の「カンサイ・サポーティング・インダストリー・コンプレックス」は、東大阪や八尾の中小企業など10以上の経済団体が2013年に「関西村」を開業している。現地では、「ザ・サポート・ベトナム」という企業が進出企業の事務作業を請け負い、日本人の人件費を除けば、初年度350万円で初年度の運営費を賄えると言うから、これ又すごい。
この2つの海外進出の事例・協力体制は興味深い。土俵を海外に移せば、これまでに培った中小の技術も生き流野か、興味深い事例だ。