先週末、ある本の読者の方から校正ミスのご指摘のハガキをいただきました。狭い記入欄にもかかわらず、とても丁寧な文字でびっしりとご指摘内容が書かれてあり、この方の人柄がにじみ出ているような文字でした。確かにご指摘の通りの内容で、次回重版時には修正するようにします。ありがとうございました。
校正ミスというのは全く、編集者にとっては頭の痛い事柄です。校正作業は普通の出版社ならば校正者という専門の人がいるのでその人に任せておけばいいのかも知れませんが、ウチの場合、1人出版社なのですべて編集担当である私自身が行います。なので、校正ミス=私の仕事ミスと直結しているわけです。ああ、恐ろしいことです。自分の恥を天下に晒すようなものです。
いったいこれまでどれだけの校正ミスを重ねてきたのでしょうか。自分では気がつかないのでそれで済んでいますが…。別に弁解する訳ではありませんが、大手出版社の本でもちょくちょく、校正ミスを発見することがあります。
本の校正は、初校→再校→三校→四校→校了という順で進めて行きます。元原稿から数えれば5回以上目を通すのですが、それでも見落としが出てきます。何度も見ていると内容がわかっているだけに、いつの間にか字面だけを追っているという状態になることがあります。気をつけねばなりません。
またこうして順番に校正を重ねていくと、普通は校正箇所は減っていくのですが、逆に増えるときがあります。著者の変更が加わるときがそうです。一度書いたものがどうも気に入らない、あるいは時間がたって変更してしまうというような場合です。
仕方がないと言えば仕方がないのですが、製版オペレーターに手渡すとき、いつも申し訳ないという思いで渡しています。それならば最初のい原稿の段階で完璧な修正をしておけばいいではないかというものですが、なかなかそうはいかないのが難しいところです。
明日から校正ミス指摘のハガキが殺到しそうで気分が暗くなりました。嗚呼、書かなければよかった。