ちょっといろいろ意見も出てきそうな書名に敢えてしてみました。橋下・維新の会に反対する人たちはもちろんですが、できれば橋下さんを支持する人たち、最近ちょっと考えている人たちに特に読んでもらいたいと思ってこういう書名にしました。
著者の小西進さんは「大阪民主新報」という大阪で発行されている地方新聞の記者です。橋下さんが府知事選挙に立候補表明して以来、今日まで取材を担当してきました。いわゆる一般新聞の「橋下番記者」たちが2年くらいで交代することを考えると、もっとも長く橋下さんを見つめてきたジャーナリストの一人と言っていいでしょう。
この本の巻末資料に、太田房江元大阪府知事が3選出馬を断念した2007年12月3日以降の詳細年表をつけていますが、当初この部分は3万字の原稿でした。それを削って削ってとにかく2万字にしてもらうという、それほど橋下さんをめぐる出来事は膨大な事象があり、それは現在も続いているのです。その多くは橋下さんの府知事選出馬以前から膨大な情報・ニュースとなってマスコミによって発表され続けてきましたが、じゃあそうやって橋下さんがやってきた事柄というのは本当に府民・市民のために何か良いこととなって実現してきたのだろうか、という思いがこの本を出そうとしたきっかけです。その点で小西さんならばマスコミとは違った視点で橋下さんを見てきた人だから何か独自のものが書けるのではないかと考えたのです。
橋下さんについてはすでに多くの研究、批判、告発といった形の出版物が多くあるのでそういう部分はそちらにお任せして、この本は小西さんが記者として見てきた体験を通して、いくつかのテーマについて「橋下さんは、こんなことをやっていますよ」ということを紹介しています。特に橋下さんと大阪維新の会が「共通の価値観」とする「自立する個人」「自立する地域」「自立する国家」がどういうものなのか、その4年数カ月の実際を通じて考えています。
この本が橋下さんと大阪維新の会が次期総選挙での国政進出をめざし、「橋下総理待望論」が盛んにふりまかれるなかで、橋下さんの実像を明らかにする一助になれば幸いです。
◎小西 進/著
◎四六判 210ページ
◎定価1200円(税込)
◎7月30日より順次出来、発売へ