今年のゴールデンウィークに起きた関越高速道のバス事故は、何度も報道されたあのショッキングな映像ゆえに、今も強く記憶に残っています。世はまさに格安ブームです。この不況下、経済事情によって私たちの気持ちが「格安」に向かうのは止む終えないことです。しかし、その結果がこのような悲惨な事になることは決して許されることではありません。
事故後、なぜこのような事故が起きたのか、その背景に何があるのか、そして再発防止のためにどうすればいいのかを考え検証する番組がいくつか報道され、国交省も新たな指針を出すなど事故再発防止へ向けた新しい動きもありますが、残念ながらその内容はあまり根本的なことには手を付けない、そんな印象の改善策にしかみえません。その後、8月にはまた大きな事故が発生しました。年間600万人が利用すると言われる高速バスですが、利用者の安全はどう確保されているのでしょか?
この本は高速ツアーバスを含む貸切バスの現役運転手さんたちの声をもとに編集しました。運転手といえば安全の要となる人たちです。その人たちが果たしてどんな状況に置かれながらバスを運行しているのか、そこに事故を引き起こす原因はないのか、またそこをどう改革すれば安全が担保されるのか、そんなことを考えながら作りました。運転手さんたち語る内容は、はっきり言って衝撃的です。こんな状態で私たちはバスに乗っているたのかと、驚くばかりです。
そして、国土交通省や旅行会社の責任はとても重大だと強く感じました。高速ツアーバス業界の闇という印象でした。
どうぞご一読願います。
【書名】 高速ツアーバス乗務員は語る―家族は乗せたくない!
【編著】 自交総連大阪地連
【判型】 A5判 88ページ ブックレット版
【定価】 900円(税込)
【発売】 9月20日ごろ