一昨日の日曜日、年末の「慰安婦」問題についての日韓合意が交わされた中、お二人の元被害者の方が大阪にこられたので、その交流集会に参加した。
お二人は李玉善(イ・オクソン)さん(90歳)と姜日出(カン・イルチュル)さん(88歳)で、そのお姿を見るのは2007年と2008年にナヌムの家を訪れて以来、8年ぶりだ。
この間、多くの元被害者が亡くなっていく中で、よくぞお元気でいらしたもんだと感慨深い。
お二人はこの来日が最後の来日になるかもしれないという思いでやって来られたそうだ。
ナヌムの家・所長の安信権さんのお話を一部メモ書きしておく。
「『慰安婦』問題をもっと世界の人々に知ってもらうよう今年はアメリカのオレゴンで展示会も用意している。8月にはドイツ、イギリスにも行く。欧米ではナヌムの家では特別な存在となっており、海外からインターンなども施設に来ている。
日韓合意には反対だ。まずプロセスの問題。個人の人権に関わるものなのに、当事者に何の説明もなく進められた。内容も同意できない。
24年間にもわたる被害者たちの要求に対して、犯罪の主体が明らかにされていない。曖昧な合意だ。被害者がはっきりしているのに加害者がはっきりしていない内容だ。
安倍首相が直接謝罪すべき内容だ。代読では納得できない。法的賠償ではないとしているが、これはハルモニたちが訴えてきことではない。ハルモニたちはすでに福祉を受けている。いったい作ろうとしているものは誰のための、何のための基金なのか。
文書がないので条約にもなっていない。個人の人権、請求権を無視している。
私たちは韓国政府を訴えることもありうる。なぜなら人間としての基本権を侵害された。違憲である。
外務省から説明に来たが私たちは反対を表明した。水曜集会でも合意案無効化宣言をした。全国から340団体が集まり、この合意の無効化宣言を支持する市民連帯を作り、自分たちで募金をすることを決めた。
ではどんな解決法があるのか、今、考えている。韓国では特別法を決めて解決することをやって来た。その制定を求める方法もある。加害者の観点から作られた合意案なので、言葉の使い方からも直さなければいけない。被害者の観点に立った本当の解決をしていく。」
安所長のお話の後、イ・オクソンさんが約40分にわたり、ご自身の被害体験を証言された。
「慰安婦の看板を掲げて話すことは辛い」と語り始められたが、その内容はここでは紹介しないので、こちらに2008年の証言内容をそのままアップしているのでお聴きいただきたい。
「慰安婦」問題について小社ではこれまで以下のような本を出してきたが、引き続きこの問題は出版のテーマとして元被害者の方たちに寄り添えるようなものを追求していきたいと思う。
1月31日の「しんぶん赤旗」の読書欄で紹介いただきました。ありがとうございます。
ここに来て、動きが広がっているようです。
なかなか「発売即重版」なんていきませんが、目指せ、重版!