出版取次の太洋社が自主廃業になることが決まり、現時点で同社帳合の書店に本が送れなくなった。
届いた出版社向けの経過報告書によれば300法人・800店舗の書店と取引があったそうだが、いかんせん、雑誌販売中心の業態の中小零細書店が多く、その書店が次々と閉店していく状況に、耐えられなくなったということなのだろう。
資産処分や売掛回収などで債権については対応できる見通しだということで倒産ではなくて廃業ということで、機関紙出版としての売掛は極僅かなものだが、今後の返品も含めて一応は回収できるようだ。
太洋社とのお付き合いは他の取次より短く、1998年以後のことになるが、確かに新刊委託部数も注文数も年々減ってきていて、先日出した新刊は遂に委託無しのデータ登録のみということになっていた。
かつては公共図書館への納品も多くあったが、それも大手取次に奪われてしまい、正直、太洋社からの注文はほとんど来なくなっていた。
昨年は太洋社よりも規模の大きかった栗田出版販売が民事再生の道を探ることとなるなど、いよいよもって出版業界は正念場を迎えようとしている感じがする。