この夏前ごろ、6年前に出した『轟音-その後-』(古久保健・著)という本が、なぜか急に動き出した。何かあったのかと不思議に思っていたところ、なんと「朝日」の「天声人語」(5月4日)で紹介されていたことが最近になってわかった! その前にも3月26日の「朝日」和歌山版でも紹介されていた。和歌山の龍神村に暮らす著者・古久保健さんの戦争体験とその後のことが書かれたもので、出版当時以下のような紹介文をAmazonのサイトに書かせてもらった。
「紀伊半島の中心部に位置する和歌山県田辺市龍神村。緑あふれる大自然に囲まれたこの村に、一つの慰霊碑があります。今から71年前の昭和20年5月5日。龍神村に日本軍と戦闘していたB29が墜落しました。慰霊碑は亡くなったそのB29乗務員のために建てられたもので、村人たちは、戦争中のその年から毎年欠かすことなく慰霊祭を続けています。
B29の墜落を目撃した龍神村在住の古久保健さんは父を中国戦線で失います。まだ彼が母親のお腹の中にいたときでした。慰霊祭を幼い頃から見続けてきた彼は、退職後にB29乗務員の遺族探しを始め、やっとの思いで遺族を発見します。そして2013年10月、奇跡的につながった遺族と対面することに……。幼心に焼き付いた戦争の恐怖。そして父の戦死。一つの使命感を持って彼は渡米しました」
この古久保さんの体験をベースに制作された映画の上映会が近く大阪市内で開かれる。ドキュメンタリー映画『轟音』(笠原栄理監督、2015年、80分、カラー)だ。ぜひご覧になられることをお薦めする。詳細は下の画像でご確認を。