スキーツアーバス事故の続報が続いています。
国交省は今回の事故を受けて、今後はバス会社の新たな開業に強い規制・条件を設ける方向だというニュースが流れています。
結局、新自由主義的政府のもとでは、犠牲者が出ないと何ら行政は手をつけないという人柱行政が横行しているのですね。
そもそも1999年に道路運送法を改悪して大幅に規制を緩和し、貸し切りバス事業を免許制から届け出制に変えたことが根本的誤りでした。
免許制では監査官がバス会社に来て、整備工場や会社の立ち上げ状況などについて厳しくチェックしていたのですが、それが届け出制になってからは、整備工場は何キロ以内に契約しておけばいい、バスの台数分の正社員がいなくてもいい、監査官は現場には来ないで写真で確認して2カ月以内に事後チェックに入ればいいというように極めて緩やかな条件で貸切バス会社が開業できるということになっったのが根本的原因でしょう。
ちなみに、この監査官ですが、その数がまったく現実に合っていません。
バス、トラック、トラックを監査する監督官は全国で320人(首席以上を除き係員を含む人数、2012年3月現在)ですが、事業者数は全国に12万5千社もあって、これでまともな監査ができるわけないのです。
さらに運賃も規制緩和以前は認可運賃だったのが、規制緩和後は届出制になり公示運賃内であれば自由に設定できることになりました。
でも実際には届けられた件数はほとんどなかったそうですから、ここに公示運賃の下限を大きく下回る運賃設定が行われる余地があったわけですが、これについても国交省は「届け出がないのだから公示運賃内で実施されているものだと考える」と、呑気なことで構えていたわけです。
そこに関越自動車道バス事故が起きました(2012年4月29日)。
しかし基本的には規制緩和の方針は見直されることなく来てしまい、結局今回のような悲惨な事故が起きてしまったということです。
以上は、下記の本によるものですが、ぜひこの機会にお読みいただくことを推奨します。高速バス運転手たちの座談会をはじめ、安全に利用するために私たち乗客はどうすればいいのかなど、いろいろ書かれています。
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