再び、スキーツアーバス事故で多くの若者が犠牲になった。
痛ましい事故である。
4年前の関越自動車道の高速ツアーバス事故を受けて、規制緩和と過酷な労働実態を告発する『高速ツアーバス乗務員は語る~家族は乗せたくない』(自交総連大阪地連/編)という本を出した。
その後、国交省はこはこの事故を受けて思い腰をあげ、①運転手1人が運転できる距離の上限を夜間400㌔、昼間500㌔に制限、②新規参入事業者の資金基準の引き上げ、③運転手への安全研修や飲酒チェックなど必要コストを含んだ料金体系の導入などの安全対策を講じ、旅行会社の不当な運行委託を禁じ、安全軽視の運行を行わないように業界に求めたきたが、それでもやはり事故は起こった。
今回の事故原因はまだ解明されていないが、いずれにせよ依然として、健康管理や労務管理を犠牲にしての格安ツアー企画が販売され続けている実態は変わらないようで、利用者が命の安全をとるか、料金の安さをとるかという究極の選択を迫られるような社会、あるいは運輸行政はなんとかしてもらいたい。