月刊 きのこ人

【ゲッカン・キノコビト】キノコ栽培しながらキノコ撮影を趣味とする、きのこ人のキノコな日常

きのこ小ネタ集 ……『ハチミツとクローバー』

2015-01-26 21:13:41 | キノコ本
「キノコ本」とまではいかないけど、小ネタとしてキノコが登場してくる漫画を紹介してみるぞ~

『ハチミツとクローバー』  羽海野(うみの)チカ
美術大学を舞台に繰り広げられる、仲良し五人組の笑いあり、涙ありの青春活劇。ほんわかタッチの絵柄に、「美大あるある」的な小ネタをはさんで話は軽快に進んでいく。しかしその裏で、どこまでも叶うことのない恋心の切なさ、けっして口にはできない心情の吐露といったものを、その場の情景と重ね合わせつつ丁寧に描くのがこの作者の真骨頂。女性を中心に根強いファンが多い。


きのこネタは4巻に登場。料理をさせるといつもとんでもないモノを作ってしまうヒロイン二人が、キノコにも挑戦、という小ネタ。


「あやしいまでに鮮やかなレモンイエローのキノコ」「ヌメリなんとか茸って言う」「彫刻棟のウラに雨が降ったあとによくはえる」
などの情報から察するに、ヌメリイグチによく似て、黄色っぽい個体の多いチチアワタケあたりじゃないかな~というのが私の推定。松さえ生えてれば、けっこう校庭なんかにも出てくるからねー。


さてこの『ハチミツとクローバー』には「森田先輩」というキャラクターがいるのだが、これが典型的なトリックスターとして描かれていて興味深い。「天才だけどバカ」「帰属意識が薄い」「人に迷惑ばかりかけるが憎めない」「浮世ばなれしてる」「子供っぽい純粋さと、全てを見通す賢人の眼を合わせ持つ」……トリックスターは日本の漫画や小説にも多く描かれているけど、これだけ典型的な人物が描かれることは少ない。

私が勝手に「キノコ的人物」としてマークしている「トリックスター」。これを描く羽海野さんも、やはりキノコ的作家、と言ってしまってもよいのではなかろうか。


同じ作者による将棋漫画『三月のライオン』も良いぞ!