月刊 きのこ人

【ゲッカン・キノコビト】キノコ栽培しながらキノコ撮影を趣味とする、きのこ人のキノコな日常

のげし

2017-05-01 22:56:35 | 植物
先月NHKで甲斐信枝という絵本作家のドキュメンタリーを放送していた。

甲斐さんは85歳の高齢にしてなお現役。キュートで快活なおばあさんだ。絵本作家とはいっても彼女が描き続ける絵本は変わっている。テーマは「雑草」なのだ。

何の変哲もない、道端や畑に生えている雑草。当たり前すぎて誰もが無視する存在の彼らと向き合い、つぶさに観察し、スケッチを描く。雑草と向き合っていると、そのつど新たな発見があるという。その目の輝きは純粋で、まさしく雑草を心から愛でているのだ、ということがテレビの画面越しにも伝わってきた。

私はきのこを愛する者だが、他のいろんな生き物も愛している。ことに雑草はとりわけ好きな生き物のひとつだ。他人にはなかなか理解してもらえないのだが……。甲斐さんは私なんか足元にも及ばない筋金入りの雑草愛好者。こんな先達がいることをうれしく思った。


写真はノゲシ。見ての通りタンポポに似た花を咲かせるキクの仲間だ。甲斐さんはタンポポと比べて地味でネクラなとこのあるノゲシが特別好きで、ノゲシが主役の絵本も描いたそうな。

かなりしぶというえに花期が長く、背丈も高いのでわりと目立つ。ゴツくてトゲトゲのオニノゲシもよく見る。