月刊 きのこ人

【ゲッカン・キノコビト】キノコ栽培しながらキノコ撮影を趣味とする、きのこ人のキノコな日常

ばらいろあみあしいぐち近縁種

2019-09-07 01:32:48 | キノコ
そろそろ初秋。秋の走り、というより夏の残党がそろそろ出てるんじゃないかな~と、久しぶりにキノコ探し。

じめじめと蒸し暑い空気はまるで7月の梅雨がぶり返したよう。山に入ると数は多くないながらもぽつぽつとキノコが出始めていた。
特に目立つのはイグチ類。テングタケ類はちょびっと、そういえばベニタケ類は皆無に近かったな・・・

そんな中で、見たことのないイグチを発見!
傘が白、柄が鮮やかな赤!この配色は!まるで亜高山の猛毒イグチ・バライロウラベニイロガワリ!

いや、でもここ亜高山じゃないしなあ。とにかく見たことない種類なので、調べることにした。


まだ若い菌だが傘の直径は5センチほど。イグチとしては中型だろう。こころもち褐色がかった灰色でフェルト状、表面はこまかくつぶつぶと凸が見られ、見た感じごつごつとした表面。傘のふちは少し巻き込み、こすれた部分はゆっくりと紫褐色に変色するようだ。
柄の地色は頂部が黄色、上部から下部にかけては紅色、ほぼ全面に赤いこまかな網目模様がある。
管孔は直生、淡黄色、微細で、傷つけてもまったく変色しない。
肉も淡黄色、緻密でこちらも管孔と同様、変色しない。苦味など、特別な味はないが、においは特徴的で、なにかしら焦げたような強い臭気がある。

見た目では『北陸のきのこ図鑑』に掲載されている「バライロアミアシイグチ」に近いが、青変性がまったくない点がはっきり異なる。
ネット上で調べてみると、よく似たキノコがいくつかヒットした。

『今日もきのこ 観察日記』
『oso的キノコ写真図鑑』
『キノコと休日』
『きのこ なら』

多少青変性があるみたいだけど、これも同じだろうか
『吉敷川だより』


ゆでて味見をしてみた。コリコリとした歯ごたえと旨みの強さが一級品だが、いかんせん火薬が焦げたようなにおいが鼻につき、さらに食べたあと喉に不快ないがらっぽさが残る。毒の有無はともかくとして、食用不適ということで問題なさそうである。