月刊 きのこ人

【ゲッカン・キノコビト】キノコ栽培しながらキノコ撮影を趣味とする、きのこ人のキノコな日常

にがくりたけ

2020-03-06 23:42:27 | キノコ
1月に撮ったニガクリタケ。

取材でキノコ撮影の現場を見せてほしいといわれたので、キノコのありそうな場所を探して、どうにかこうにかそれっぽい群落を見つけた。えり好みせず針葉樹からも広葉樹からも生えて、しかも秋から冬にかけてしぶとく発生(しかも群生!)し続けるニガクリさんは、キノコ狩りの人からは嫌われてもキノコ撮影家には救世主のような存在だ。

もっとも普通にみられる毒キノコのひとつ。


美しい群生。

実は、この写真を撮った5日後に、もう一度この場所を訪れてみたのだが、なんと・・・


消えている!!

冬は気温が低いのでキノコが腐るのは遅い。5日程度ならば少し傷むくらいで消えるなんてことはないはず・・・

よく見ると、茎の下の部分が少し残っており、折れたニガクリタケがいくつか切り株の下に転がっていた。ははぁ、これは何者かに採られたようだ。

虫、ナメクジ、ネズミ、リス、シカ、サル、イノシシ、そして人間。犯人はいくらでも思い浮かぶ。誰だろうか。
食べ方からして虫やナメクジではない。人間の採り方でもない。切り株の一部がえぐれたようになっているから、なかなかのパワー。小動物でもなさそうだ。よくみると切り株の手前に地面がえぐれている場所がある。重い体重の動物が歩いた跡だろうな。

となると、シカかイノシシか。うーん、どちらかと言えば上品な荒らされ方なので、シカかな。

しかしニガクリタケを食べるんだねえ。まあ腹が減ればトリカブトだって平気で食べるような連中だし、体もデカいからよほど大量に食べない限りは中毒しないんだろう。それにしても苦くは無いんだろうか。まあシカに聞くだけ野暮かもね。